それは、突然の出来事だった。5月25日、愛知県名古屋市で開催された男闘呼組のライブ。ファンの興奮も冷めやらぬ中、アンコールで歌ったのはSMAPの大ヒット曲『夜空ノムコウ』。サプライズの演奏が終わると、ボーカル兼ベーシストの高橋和也(54才)がこう叫んだ。
「今日はおれたちの大事な後輩、中居が来てくれてます!」
次の瞬間、1階席の後方にスポットライトが当たり、ファンの視線が一斉に注がれた。そこにいたのは、薄い色のサングラスをかけ、はにかむ中居正広(50才)だった。
ゆっくりとステージに上がった中居は、メンバーの岡本健一(54才)、高橋、成田昭次(54才)、そしてリーダーの前田耕陽(54才)の順にがっちりとハグを交わす。さらに、「男闘呼組の広報をしています中居です」と冗談を飛ばし「30年ぶりに男闘呼組のライブを拝見し、昔の匂いを思い出しました」「男闘呼組は終わったわけじゃありません。まだまだ続きます。ぜひとも見届けていただきたいと思います」とスピーチし、会場を大いに沸かせたのだった。
中居の言葉にあったように、男闘呼組がライブを行うのは約30年ぶり。ジャニーズ事務所にあってアイドルとは一線を画した本格的なロックバンドという異色の存在だった男闘呼組は、1988年にデビューするや否や、日本の音楽シーンに鮮烈な印象を残す。しかし、1993年に突如活動を休止。事実上の解散だった。
だが、メンバーの心の中では“ロックへの灯火”は消えていなかった。2022年7月、『音楽の日2022』(TBS系)にサプライズ出演し、久々のステージを披露。さらに、2023年8月までの期間限定で再結成することも発表し、今年4月から『男闘呼組 2023 THE LAST LIVE』と題したツアーをスタートさせた。
「活動休止後、ボーカル兼ギターの成田さんは芸能界を引退していたのですが、2019年にジャニー喜多川氏のお別れ会でメンバーに再会。久しぶりの再会だったにもかかわらず、何の違和感もなく昔のように仲よく語り合えたそうで、そこから再結成の話が進んでいきました」(音楽関係者)