世界3大ミスコンのひとつとして有名なミス・ユニバース。SNSでのフォロワーは群を抜いて多く世間の関心の的を集める点で世界一のミスコンといえる。常に新しい女性像を掲げ、2023年大会からは、70年以上の歴史で初めて婚姻歴や出産経験のある女性も参加できるようになった。ミス・ユニバース・ジャパンのナショナル・ディレクターとして運営を統括する美馬寛子氏に、今世界的に求められる女性像とは何かを聞いた。
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求めるのは「伝えるためのコミュニケーション力」
「知性や内面の美を尊重し、特に期待しているのがリーダーシップ力です。今の日本を象徴する若い女性リーダーを発掘して育成し、女性の活躍を世界へ発信したい。『自分たち女性の声を届けてほしい』と未来を託せる、真のリーダーを期待しています」
“真の女性リーダー”を発掘するにあたり、その基盤作りとしてミス・ユニバースの世界大会事務局も大きな決断に踏み切った。
「2023年大会から、参加資格として婚姻歴や出産歴の有無が問われないことになりました。妊婦の参加も可能です。毎年、事務局から各国のナショナル・ディレクターへどこを改善していくべきか大会の運営についてアンケートがあり、そこで決定されました。これは70年以上のミス・ユニバースの歴史上、画期的な変化であり、あまたあるミスコンテストの中で私たちが先陣を切って変革に取り組んだことに、誇りを持っています。
大会の会場へお子さんを連れてきてもOKなのか、その場合はどんな補助が運営として必要になるのか、ミス・ユニバースに輝いて世界を回る時に子連れでは難しいので、1歳、2歳の幼子を置いて母親が1年間家を空けることを世間はどう見るのか──。決断するにあたって、想定されるバリアを世界各国のナショナル・ディレクターで話し合いました。
そこで着目したのが21歳といわれる初産年齢の世界平均です。ミス・ユニバースの年齢的な応募資格は今年だと『1月1日時点で18歳以上28歳未満』です。21歳で学びながら、あるいは働きながら、母親として頑張っている女性が世界にはたくさんいます。また、ミス・ユニバースが求めるリーダーとしての存在意義のひとつに“すべての女性の声をどうすくい上げるか”という働きがあります。女性リーダーの本質を考えれば、婚姻歴や出産歴を理由に排除する意味が見当たらなかったのです」
そうした変化を受け、日本の事務局でもリーダー発掘のアプローチに新しい動きがあった。