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北朝鮮で中学生4人が教材費欲しさに軍からガソリン盗み1人死亡、3人逮捕 浮かび上がる学校現場の疲弊

北朝鮮の学校現場では何が?

北朝鮮の学校現場では何が?

 北朝鮮北東部の内陸部に位置する両江道通南村で、中学生4人が停車していた朝鮮人民軍のトラックからガソリンを盗もうとしていたところを兵士に発見され、1人が捕まって殴られ死亡したことが分かった。他の3人は逃げたあと、警察に逮捕されている。

 中学生たちは学校の授業で使う絵具とニスを買うため、ガソリンを売って現金を手に入れようとしたという。米政府系報道機関「ラヂオ・フリー・アジア(RFA)」が報じた。

 この中学校の生徒4人は同じクラスで、授業で使う絵具とニスを持ってくるか、4000ウォン(約400円)を現金で払うかを先生に指示されていた。

 4人とも貧しい家庭の子供だったで、軍のトラックから盗んだガソリンを売って現金を用意しようと相談。当日の昼ごろ兵舎に忍び込んで、ガソリンを吸い上げていたところを近くで昼食を摂っていた兵士に見つかり、1人が捕まって殴られたという。

 兵士は警察に被害を届け出て、この少年を突き出したが、少年は数時間後に死亡。他の3人の少年も警察に逮捕された。

 北朝鮮では小中高校の12年間は義務教育で、基本的に学費のほか、制服代から教材費まですべて無料が原則だが、最近は学校への国の補助が滞っており、制服や教材などの配給がなくなり、その分は学生の家庭が負担しなければならないことが多くなっているという。

 このため、学業を放棄する生徒も多くなり、学級崩壊に陥るケースもしばしば出ている。学校側も生徒の出席率を上部機関に報告しなければならず、出席率が低ければ、予算も減らされることから、対策をとろうと悪戦苦闘しているという。

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