3年ぶりのV奪回を狙う巨人だが、早くも厳しい状況に追い込まれている。阪神が16年ぶりの9連勝を飾るなど首位を独走。巨人は8・5ゲーム差まで離された。
3年連続V逸となれば、チームも改革を迫られる。昨オフに松田宣浩、長野久義を獲得したが戦力として稼働しているとは言えない。ソフトバンクの戦力構想から外れて加入した松田は開幕一軍で迎えたが8試合出場で打率.111、0本塁打と結果を残せず、4月中旬にファーム降格。守り慣れていない二塁で途中出場するなど気の毒な部分もあった。広島から無償トレードで復帰した長野久義はスタメン出場が3試合のみ。主に代打で起用されたが、25試合出場で打率.219、1本塁打、4打点と存在感を発揮するまでに至らず、5月29日に登録抹消された。
もう1人の“ベテラン代打”であるチーム最年長40歳の中島宏之は、3月の紅白戦で右手親指骨折したものの2週間余りで実戦復帰。ファームで勝負強い打撃を見せているが、今季一軍で出場機会がない。
「秋広優人、門脇誠ら若手が台頭し、ベテラン勢は厳しい状況になっている。松田は速い直球に対応できなくなっている。ソフトバンクで近年見せていたパフォーマンスでも衰えは明らかだった。長野も若返りを図る広島で出場機会を失っていた。巨人に復帰してファンからは絶大な人気を誇りますが、外野のレギュラー争いの中で優先順位が下がっている。代打向きの選手ではなく4打席で勝負する選手なので、一軍の戦力として厳しい。一軍から声が掛かっていない中島を含めて、3選手が巨人でプレーするのは今年限りかもしれない」(民放テレビ関係者)
松田、長野、中島と3人のベテランの去就が気になるところだが、中島は通算2000安打まで77安打に迫っている。大記録達成に執念を燃やしていることから、来季以降も現役続行の可能性が高い。
セ・リーグの他球団の首脳陣は「中島はファームで見ているけど、まだまだ一軍で十分できるよ。コンパクトなスイングに打撃改造して安打を打つ技術を心得ているし、長打も打てる。性格的にも我が強い選手じゃないし、チームに良い影響を与える選手。巨人の来季の戦力構想から外れるようなら欲しい」と高く評価する。