ビジネス

絶望的な人手不足に悩む居酒屋業界 「時給2000円…それは無理」とフランチャイズ経営者

時給1500円でも居酒屋バイトは人気薄(イメージ、時事通信フォト)

時給1500円でも居酒屋バイトは人気薄(イメージ、時事通信フォト)

 かつては仕事帰りの男性会社員が寄るところだった居酒屋は、1980年代から居酒屋チェーンが登場しカジュアル化、低価格化がすすみ、2000年代にはその傾向がさらに加速した。そして、アルバイト先を求める若者にとって居酒屋、とくに居酒屋チェーンは定番の勤め先となったが、近ごろは人気薄だという。俳人で著作家の日野百草氏が、居酒屋チェーンが働き手を確保する困難に直面している現実を、現店長や元店長、元アルバイトたちに聞いた。

 * * *
「家族のようにあったかい、アットホームなお店です!」

「時給も大事だけど、ワイワイ楽しいも大事!」

「お兄ちゃん的存在の店長になんでも相談、頼れます!」

 これらは居酒屋チェーンの求人キャッチコピーである。多少改変しているが、同じような文言と満面の笑顔の店員たちがスクラムを組んだり、それぞれ芸人のように愉快なポーズをとったりしている。よくある求人広告だが、居酒屋チェーンの30代マネージャーは「会社も広告会社もわかっていない」と語る。

ブラック業種のまま放置した業界の自業自得

「もうこんな求人で満足に若者が集まる時代ではない。むしろ敬遠されることのほうが多いように思う」

 居酒屋で働きたいと思わせる楽しい広告のはずが、敬遠されるとはどういうことか。

「現代ではこういった広告こそ『ブラック業種』の代名詞にされている。若者は敬遠する。SNSやネットの掲示板で以前から『こういう広告の会社はブラック』とされている」

 確かに、よく匿名掲示板やSNSなどで揶揄されている類いの求人だ。「楽しさ重視」「店長が優しい」「髪・ピアス・ネイル自由」などのキャッチコピーが踊っているが、こうした以前からある広告で求人するのは難しい、ということか。

「楽しさより時給だし、お兄ちゃん的存在の店長がどうしたというのか。『髪・ピアス・ネイル自由』も定番だが、今どきの子は『そんなの当たり前』でわざわざ書いているところが不審がられる。本当にわかっていない」

 本社や一括して求人と関係する部署が「わかっていない」として、どうすればいいと考えるか。

関連キーワード

関連記事

トピックス

不倫報道の渦中にいる永野芽郁
《私が撮られてしまい…》永野芽郁がドラマ『キャスター』打ち上げで“自虐スピーチ”、自ら会場を和ませる一幕も【田中圭との不倫報道】
NEWSポストセブン
(SNSより)
「誰かが私を殺そうとしているかも…」SNS配信中に女性インフルエンサー撃たれる、性別を理由に殺害する“フェミサイド事件”か【メキシコ・ライバー殺害事件】
NEWSポストセブン
電撃引退を発表した西内まりや(時事通信)
電撃引退の西内まりや、直前の「地上波復帰CMオファー」も断っていた…「身内のトラブル」で身を引いた「強烈な覚悟」
NEWSポストセブン
女性2人組によるYouTubeチャンネル「びっちちゃん。」
《2人組YouTuber「びっちちゃん。」インタビュー》経験人数800人超え&100人超えでも“病まない”ワケ「依存心がないのって、たぶん自分のことが好きだから」
NEWSポストセブン
悠仁さまの大学進学で複雑な心境の紀子さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、大学進学で変化する“親子の距離” 秋篠宮ご夫妻は筑波大学入学式を欠席、「9月の成年式を節目に子離れしなくては…」紀子さまは複雑な心境か
女性セブン
品川区にある碑文谷一家本部。ドアの側に掲示スペースがある
有名ヤクザ組織が再び“義憤文”「ストーカーを撲滅する覚悟」張り出した理由を直撃すると… 半年前には「闇バイト強盗に断固たる処置」で話題に
NEWSポストセブン
現在は5人がそれぞれの道を歩んでいる(撮影/小澤正朗)
《再集結で再注目》CHA-CHAが男性アイドル史に残した“もうひとつの伝説”「お笑いができるアイドル」の先駆者だった
NEWSポストセブン
『THE SECOND』総合演出の日置祐貴氏(撮影/山口京和)
【漫才賞レースTHE SECOND】第3回大会はフジテレビ問題の逆境で「開催中止の可能性もゼロではないと思っていた」 番組の総合演出が語る苦悩と番組への思い
NEWSポストセブン
永野芽郁の不倫騒動の行方は…
《『キャスター』打ち上げ、永野芽郁が参加》写真と動画撮影NGの厳戒態勢 田中圭との不倫騒動のなかで“決め込んだ覚悟”見せる
NEWSポストセブン
電撃の芸能界引退を発表した西内まりや(時事通信)
《西内まりやが電撃引退》身内にトラブルが発覚…モデルを務める姉のSNSに“不穏な異変”「一緒に映っている写真が…」
NEWSポストセブン
入院された上皇さまの付き添いをする美智子さま(2024年3月、長野県軽井沢町。撮影/JMPA)
美智子さま、入院された上皇さまのために連日300分近い長時間の付き添い 並大抵ではない“支える”という一念、雅子さまへと受け継がれる“一途な愛”
女性セブン
交際が伝えられていた元乃木坂46・白石麻衣(32)とtimelesz・菊池風磨(30)
《“結婚は5年封印”受け入れる献身》白石麻衣、菊池風磨の自宅マンションに「黒ずくめ変装」の通い愛、「子供好き」な本人が胸に秘めた思い
NEWSポストセブン