中国で新型コロナウイルスが再流行しており、中国の専門家は6月末にはピークを迎え、1週間で最大で6500万人が感染するとの予測を明らかにしている。中国では昨年末時点で、人口14億人のうち80%の11億人以上がウイルス感染していたが、感染した人々の免疫は消失している可能性があり、再感染の危険性があるという。国営新華社電などが報じた。
中国政府は昨年12月初旬、それまでの厳格な防疫体制である「ゼロコロナ政策」を突如、撤回した。その結果、XBBオミクロン変異株が猛威を振るい感染者数は1日に数百万人に急増。発熱を抑える薬は市場から枯渇し、学校や多くの公共の場は閉鎖された。
各地の病院や医療施設が逼迫状態になっただけでなく、感染者の死亡が増え、葬儀場や火葬場は順番を待つ遺族が列をなし、火葬場を新たに建設しなければならなかった。
その後、感染は小康状態を迎えたが、新華社電によると、中国の感染症の権威である鐘南山・中国国家衛生健康委員会専門家グループ長は「中国での感染症の第二波は4月末に始まり、予想通りであった」と語るとともに、この波は6月末にピークを迎え、感染者数は1週間あたり4000万人から6500万人に増加するとの見通しを明らかにしている。
しかし、市民の多くは、「昨年までの流行で11億人が感染したのに比べて、今回は多くても6500万人なので、大したことはない」と感じているようだ。
また、北京在住の日系企業幹部は筆者に対して「いま流行っているXBBオミクロン変異株については、今後3、4種類のワクチンが承認されると政府機関が発表しており、ワクチン接種ももうすぐ開始するようだ。感染が再び拡大すれば、日本に一時帰国することも考えている」と語っている。