首相公邸で忘年会をしていたことが報道された問題で、首相秘書官を辞職した岸田文雄首相の長男・翔太郎氏。体験取材を得意とする『女性セブン』の名物ライター“オバ記者”こと野原広子が、岸田親子について綴る。
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「もう辞める」と言ってきかなかったそうな。母親の裕子夫人(58才)がなだめようとしたけれど、今度という今度は本人の意思が固く、首をタテに振らなかったとか。
ご存じ、岸田文雄首相(65才)の長男で政務担当の首相秘書官だった岸田翔太郎氏(32才)が首相公邸で忘年会を開き、“ごっこ遊び”写真が報じられ、父親でもある総理が記者団に「けじめをつけるため交代させることと致しました」と述べた、あの話だ。翔太郎氏は今年1月には、ロンドン、パリ外遊時に公用車で観光と買い物をして回ったことも報じられている。
「ほ〜ら見たことか。だから言わんこっちゃない。だいたいさ、政務秘書官といったら各省庁のキャリア組のトップの事務次官より立場は上なのよ。大手商社に数年勤めて3年前に父親の秘書になった子にできる仕事じゃないんだって」
政治好きの友人K子が電話の向こうで怒る怒る。政界通の彼女は、5年前に私が議員会館でアルバイトをすると言ったら、永田町(政治)や霞が関(官庁)の掟を一から教えてくれた人だ。
官僚にはキャリアとノンキャリアがあって、その2つは公務員になるときの試験が違うし、任される仕事も違う。最も難しい試験に合格して入省したのがキャリア官僚で、同期の中で1人だけなれるのが事務次官。
「その事務次官が政務秘書官であらせられた翔太郎くんにはひれ伏すのよ。どんだけ高い地位だったかわかる?」
ますますヒートアップしたK子は声が裏返っている。そりゃあ、怒りたくもなるって。私は原チャリで議員会館まで通勤しているんだけど、岸田家の忘年会が開かれたレンガ造りの首相公邸と、警察官でがっちりと固められた首相官邸前は通過するたびに緊張するもの。
5年もたつと、国会議事堂ですれ違う総理や大臣は見慣れるけれど、彼らを警護しているSPが身にまとっている緊張感といったらなくて、遠くからでもわかるくらいだ。だから、
「その人たちに365日、24時間守られていることを、翔太郎くんは何と心得る!」
とK子と一緒に怒ったんだけどね。電話を切ったら彼のシュンとした顔が浮かんで、急に気の毒になってきたの。