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バターは肥満の大敵、72%が飽和脂肪酸  悪玉コレステロールを増やし、循環器系疾患のリスクとなる可能性も

(写真/PIXTA)

バターはほぼ脂肪(写真/PIXTA)

 カリッと焼いた食パンや、ふわふわのパンケーキにひとかけらのバター。食欲をそそる魅惑的な香りにまろやかなコク……だが知ってのとおり、「おいしいものは太る」というのが定説だ。米ヒューストン在住で、日本ナチュラル・ハイジーン普及協会会長の松田麻美子さんが言う。

「バターの成分は98%が脂肪ですが、脂肪を燃焼するには、ビタミンやミネラルを必要とします。ところが、日本人はそれらが不足している人が多い。燃焼できなかった脂肪は、お尻やお腹、二の腕、太ももに肥満のもととなる『体脂肪』としてどんどん蓄積されます」

 また、一般的に、バターが使用されている食べ物やバターと相性のいい食べ物はほとんどが多くの糖質を含んでいる。ケーキやクッキーなどはその代表格だ。

「砂糖も摂りすぎるとその一部が体脂肪として体にたまっていくため、バターと砂糖をダブルで摂れば、相乗効果で太りやすくなります。お菓子に限らず、トーストにバターとジャムという定番の組み合わせも“ダブルパンチ”で肥満を招く。加えて、バターは大さじ1杯あたり90kcal。オリーブオイルの120kcalよりは低いのですが、72%が血液をドロドロにして血管を詰まりやすくする『飽和脂肪酸』でできているのです」(松田さん)

 飽和脂肪酸がもたらすのは、ダイエットの失敗だけではない。星子クリニック院長の星子尚美さんが解説する。

「飽和脂肪酸は、悪玉のLDLコレステロールを増やし、善玉のHDLコレステロールを減らす作用があります。悪玉コレステロールが増えると動脈硬化が進み、心筋梗塞などの循環器系疾患のリスクが上がります。さらに、飽和脂肪酸の摂りすぎはアルツハイマー型認知症との関連も指摘されています」

 一方、魚油などに豊富に含まれるDHAやEPAといったオメガ3系脂肪酸は、バターの油とは反対に、アルツハイマー型認知症の発症リスクを下げる。同じ油でも、これだけの違いがあるのだ。

 バターは油脂であると同時に、牛乳や生クリームなどと同じ乳製品でもある。漢方の世界ではこうした“白い食べ物”は、体を冷やす作用があると考えられている。イシハラクリニック副院長の石原新菜さんが言う。

「白い食べ物は体を冷やし、血液の流れが停滞した状態を招くと考えられています。その結果、体の冷えやこり、痛みにつながる。また体が冷えれば当然、代謝が落ちて脂肪を燃焼しにくくなる。肌や髪にも、栄養が届きにくくなります」

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