わずか50秒ほどの動画が日本中で炎上し、その火種は4か月以上経ったいま、また大きく燃え上がろうとしている。到底払い切れないほどの高額な賠償請求に、「ペロペロ少年」が施した対抗策は──。
「もう何もお話しできないので……申し訳ございません」。本誌・女性セブン記者の問いかけに、目をそらすことなくそう答えた女性は、深々と頭を下げて自宅に入っていった。
青々とした山岳地帯を背景にのどかな田園風景が広がる岐阜県のとある町。約5か月前に「スシローペロペロ迷惑動画」で世間を騒がせた少年とその家族は、祖父の代に建てたという瓦屋根の一戸建てで、いまでも鬱々とした日々を過ごしているという。
「息子さんは以前、よくご近所さんの畑仕事を手伝ったりしていましたが、そんな姿もまったく見なくなりました。あの騒動の後に通っていた高校をやめて、ずっと家にこもりきりで、一歩も外に出ていないんじゃないかな……」(近隣住民)
冒頭は、6月上旬、少年の母親に声をかけたときのものだ。別の近隣住民が言う。
「騒動の直後、ご家族は憔悴しきった様子で、近所に謝り通しでした。お母さんは日が暮れた頃にスーパーで買い物をしているのを時々見かけますけど、こちらもわざわざ声をかけるのをためらってしまって……みんな触れないようにしています」
大手回転すしチェーン『スシロー』の岐阜県内にある店舗で撮影された迷惑動画がSNS上に拡散されたのは、1月29日のことだった。ボックス席に座った、当時県内の公立高校に通っていた金髪の少年が、しょうゆ差しの注ぎ口や未使用の湯飲みを舐め回して元の場所に戻したり、レーン上のすしネタに唾液のついた指で触ったりする様子は、日本人の回転すし人気と食の安心を根底から揺るがせた。
翌30日、スシローの運営会社の株価が急落し、31日にはスシロー側が警察に被害届を提出。騒動直後、スシロー側は少年と保護者から直接謝罪を受けたものの、怒りは収まらず、「刑事、民事の両面から厳正に対処してまいります」とコメントし、被害届は取り下げなかった。
そしてこの6月上旬、スシロー側がこの少年を相手取り、およそ6700万円の損害賠償を求める訴えを起こしていたことが明らかになった。