今年1月から相次いだ飲食店への迷惑動画騒動で、ついに被害を受けた企業が動き出した。回転寿司チェーン「スシロー」の運営会社「あきんどスシロー」が、共用のしょうゆ差しの注ぎ口や湯呑みをペロペロと舐めた少年に対し、約6700万円の損害賠償を求めた民事訴訟を起こしたことがわかった。食への安心・安全を揺るがす行為に対し、企業が毅然とした対応をとるのは当然のことだろう。今回、週刊ポストは迷惑動画の被害を受けた企業に今後の対応を聞いてみた。
民事訴訟を起こしたスシローは、女性客が「甘だれ」と書かれた店の備え付けの容器に、醤油のボトルを差し込んで混入している動画が拡散される被害も受けている。こちらについても“ペロペロ少年”同様、損害賠償を求めるのかと聞いたところ、「個別の状況について、お伝えさせていただくのは控えております」(広報課)とのことだった。
ほかの企業はどうか。同業他社の「はま寿司」も2件の迷惑動画の被害を受けている。ほかの客が注文したとみられるレーン上の寿司に、勝手にわさびをのせる動画と、男子高校生がガリの容器に直接箸を入れて食べる動画がそれぞれ拡散された。前者は6月にSNSで拡散した10代少年が書類送検、後者は警察が男子高校生と動画を撮影した人物らに話を聞いている。運営する「ゼンショーホールディングス」の広報は、「現時点で民事訴訟を起こしていない」としつつ、「それぞれ刑事の判断を持って、対応を考える予定です」と、損害賠償請求の可能性を否定しなかった。