エベレスト登山中に頂上付近で意識不明となった中国人の女性登山家がたまたま居合わせたシェルパガイドらに救助され、無事下山し一命をとりとめた。しかし、女性登山家がシェルパガイドへの報酬1万ドル(約140万円)の支払いを拒否していたことが報じられると、そのニュースはネット上で3億回以上も閲覧されたという。中国のインターネットニュース「上遊新聞(cqcb.com)」が報じた。
この中国中部湖南省出身の50歳の女性登山家は5月18日、2人の中国人の男性登山家の助けを借りて、エベレスト登頂に成功したが、下山し始めてすぐの海抜8500メートル付近で意識不明となった。
その際、たまたま他の登山家のサポートをしていたネパール人のシェルパガイドらが通りかかった。その登山家は自分のエベレスト登頂は諦め、ガイドに女性を助けるように要請すると、ガイドは登山家に「1万ドルの報酬を支払ってほしい」と要求した。
一般的にエベレスト登頂をサポートするシェルパガイドの報酬は8000~1万ドルといわれている。女性登山家が1万ドルを支払うであろうと想定し、ガイドは登山家2人と協力して、女性登山家を持ち上げてベースキャンプまで下り、そこで数日間治療をしたことで女性登山家は回復した。
しかし、ことの顛末を聞いた女性登山家は1万ドルの支払いを拒否。いくら説得しても、彼女は同意しなかったので、1万ドルは女性登山家と同行していた2人の登山家が支払った。また女性登山家からは2人やガイドに対して、御礼の言葉もなかったという。
この出来事を上遊新聞が報じたことで、中国版短文投稿SNS「微博(ウェイボー)」にも投稿された。ネット上では「この女性のせいで、中国人女性全体が誤解される」、「この出来事を知った他のシェルパガイドたちも今後、中国人ならば誰も助けないのではないか」などといったコメントが多くみられた。