岐阜市内にある陸上自衛隊「日野基本射撃場」で6月14日、自衛官候補生の男・A(18)が突如小銃を発射し、3人の隊員が撃たれ2人が死亡した事件。逮捕されたA容疑者は「52歳の教官を狙った」と供述している一方、「強い恨みはなかった」とも話しているという。自衛隊関係者はAの印象をこう語る。
「Aはミリタリーの知識を持ったいわゆる“自衛隊オタク”でした。訓練での団体行動もなじめない感じで、特に上官に対して文句を言ったりしていたことが多かったようです。事件があるまではそこまで大きな問題にならなかったようですが、他の候補生よりも注意を受けることは多かったと聞いています」
今年の4月に候補生として入隊後、孤立を深めていたというAだが、幼少期の証言を集めると、彼の来歴からもそれが窺える。保育園と小学校の同級生の母親は、Aの印象についてこう語る。
「保育園には年長の4月あたりに入ってきたのですが、夏休みを終えると来なくなってしまった。その後Aくんはご兄弟と一緒に、小学校低学年のころまで県内の児童養護施設に入っていたと聞いています。クラスでは『無口でボーッとしている印象』で、話しかけたら普通に応じてくれたそうですが、特別仲良くしている友人はいなかったと聞いています」
小学校・中学校の同級生の母親は、Aは中学校時代にも周囲になじめていなかったと話す。
「中学校に入ってしばらくしてまた別の児童療育施設に入り、学校には来ていなかったようです。2年生の途中で帰ってきて、同級生の男の子がAくんに『遊びに行こうよ』と誘ったときに、『お小遣いがないから』と断られたと。このへんで遊ぶとしたらみんな名古屋に行くので、電車賃がかかるんですよね。ただ、小学校のころから友達と一緒にいるタイプではなかったので、誘いを断るための嘘だったのかもしれないですが」