日本では阪神が快進撃を続けているが、海の向こうではOBの藤浪晋太郎(29)が苦しんでいる。
「今季、オークランド・アスレチックスへポスティングで移籍しましたが、開幕から阪神時代と同じく制球が定まらない。先発で4連敗してすぐに救援に配置換えされてしまった。最近は先発して1?2回を投げる『オープナー』として起用されていますが、藤浪を見守り続ける阪神ファンからは心配する声も多い。本来の力を発揮しているとは言い難い状況です」(スポーツ紙デスク)
かつてのエースがメジャーでもがくなか、阪神関係者の間では秘かにこんな話が囁かれているという。
「『もし藤浪が阪神に残留していたらどうなっていたか』という話題です。デビューから3年連続で2ケタ勝利の実績と根強い人気を誇る選手だけに、岡田(彰布)監督は先発要員として使わざるを得なかったのではないか。
そこで制球難が顔を出していたら、阪神の開幕ダッシュはなかったかもしれません。球団関係者からは、『藤浪のポスティングを認めたのはフロントの大手柄だ』という意地悪な声も聞こえます」(同前)
阪神OBで元捕手の辻恭彦氏は「仮定の話は答えづらいが」としながらこう語る。
「藤浪は力が入ると右バッターの頭部に球が抜ける傾向があります。これが精神的な問題から生じる制球難なら、阪神の選手の意識が変わったように岡田監督の手腕で再生できたかもしれません。ただし、技術的、肉体的な問題から生じるものなら、岡田監督でも再生は難しかったでしょう。いずれにしても素晴らしい素質を持つピッチャーだけに、何とかメジャーで復活してほしい」
今季の阪神のように悩める右腕にも奮起を期待したい。
※週刊ポスト2023年6月30日・7月7日号