日々の生活に支障をもたらす肩こり。整体院などでマッサージを受けると、ゴリゴリと痛いところを揉まれて「効いているな~」と実感することは多いだろう。
しかし、整形外科医の戸田佳孝氏(戸田整形外科リウマチ科クリニック院長)は、「イタ気持ちいい揉み方は肩こりを悪化させる」と言う。
「肩こりでは僧帽筋という筋肉が緊張し硬くこわばっています。筋肉の内圧上昇から血行不良が生じ、乳酸などが溜まって筋肉にダメージを与えるのです。このような状態の患部に強い圧力を加え押したり揉んだり叩いたりしたら、筋肉は刺激から身を守ろうとしてさらに緊張し、硬くなります。肩こりに強い刺激はタブー。原因は頭の重さを首や肩の筋肉で支えていることにあるので、むしろ姿勢を正すとか、マッサージならさする程度で十分に効果があります」
高齢者の腰痛の原因として知られる「脊柱管狭窄症」の治療には手術が選択されることがあるが、戸田医師は手術をしなくても痛みは取れるという。
「年齢による変化で誰もが脊柱管は狭窄してきます。手術をしても痛みの症状がなくならないことは多く、3か月は様子を見ることをお勧めします。なぜなら狭窄症の痛みは神経が圧迫され炎症を起こしているため。炎症は3か月経てば治ることが多いからです」(同前)
また、別の原因もある。
「狭窄症が起こる高齢者ではレントゲン写真では見えない細かい椎体骨折が起きていることがあります。この場合も3か月経てば痛みは治まります」(同前)
主治医がすぐに手術を勧めてくるような場合は、セカンドオピニオンを受けるのも一手だという。
※週刊ポスト2023年6月30日・7月7日号