臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々の心理状態を分析する。今回は、高嶋ちさ子(54才)の毒舌と「本来感」の強さについて。
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テレビで見るとエネルギッシュで愉快で楽しいのだが、こういう人が身内や周りにはいたら、さぞ大変だろうと思うのが、ヴァイオリニストでタレントの高嶋ちさ子だ。
6月23日に放送された『ザワつく!金曜日 長嶋一茂石原良純高嶋ちさ子』(テレビ朝日系)では、長嶋さんが憧れのオープンカーを購入したものの、ルーフを閉じると座高が高いため車内に入れないと話すと「バカなの?」。この相手かまわず言いたい放題なのが彼女の魅力だ。自分を曲げず、上から目線で高飛車で喧嘩早く”熱血ウーマン”。普通の人の常識や概念なんて無関係みたいに、周囲に遠慮せず、誰かに迎合もしない。他人からの評価も気にしない。心のままに感情のままに、あるがままの自分で、いつも自分らしくいられるという「本来感」の強さを感じる人だ。
こういうタイプは一つ間違えば、その本来感ゆえにわがままで自分勝手でとマイナスイメージがつきやすいが、彼女は違う。本来感を発揮すればするほど注目を集めていく。それは彼女の毒舌が『ザワつく!金曜日』の番組HPに、「ビミョーに是非を問われる”話題”に”ザワつくトリオ”が言いたい放題 妙にザワつく巷の問題を斬る スカッと爽快、毒舌トークが大爆発!」と紹介されているように、スカッと爽快だからだ。そう感じさせるのは、彼女のコメントが単なる自己中心ではなく、モラルやルールなどに厳しいこともある。
12日に放送された『しゃべくり007』(日本テレビ系)でも、毒舌は止まらなかった。新幹線のグリーン車で騒いでいた女性らにブチ切れたという話が友人から披露され、女性らに注意せず通り過ぎた車掌に詰め寄り「あなた今、注意した?」。うるさかった女性については「もううるさくてうるさくて。こんな金髪にしたババァが」と怒りを爆発。唖然とするようなエピソードや、愕然とするようなコメントもあけすけでカラッとしているから痛快無比、思わず笑ってしまう。この場面に遭遇していたら、その女性らに対してきっと同じことを思っただろうが、口には出せないし出さない。長嶋さんへの「バカなの」ではないが、言いたいけれど言うのを躊躇してしまうようなことを、ズバッと言ってくれるのも彼女の毒舌の特徴だ。