警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、無差別に届く宅配便詐欺メールと、配達員として紛れ込んだ反社会勢力によるリスクについて。
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特殊詐欺の電話がかかってくることはないが、ヤクザにも詐欺のメールは届く。「ほら、オレの所に来たのはコレ」と、暴力団幹部が見せてくれたのはスマホに届いた”不在通知”を知らせるショートメッセージ(SMS)だ。
「お客様宛のお荷物のお届けにあがりましたが不在のため持ち帰りました。下記よりご確認ください」という某大手宅配便業者を装った偽のSMSである。メッセージの下には偽サイトに誘導するためのURLが記載されていた。アクセスしてIDやパスワードなどのアカウント情報を入力してしまうと、それをキャリア決済などで不正利用され、身に覚えのない請求をされる。偽サイトにアクセスしただけで不正アプリがダウンロードされ、偽のSMSを多数発信、多額の通信料を請求されたりする。
「これも偽の不在通知。続けて何通か来たな」と、開いた迷惑メールのフォルダーに並んでいたのは、別の大手宅配業者を装ったからの”配達失敗”の通知だ。
「親愛なる○○様」とメールアドレスが記された後に、「この度は○○○○(実際のメールでは実在する宅配業者名)をご利用いただき誠にありがとうございます。残念ながら、配達員が荷物をお届けできませんでした。住所が正しくない可能性があるため、下記の再配達依頼フォームより、お届け先の住所のご確認をいただき、再度ご依頼いただきますようお願い致します」とあり、”請求書番号”と”住所変更はこちら”の横に、偽サイトのURLが記載されていた。
「この手の詐欺メールはよく届く。クレジットカード会社を騙ってアカウント情報にセキュリティー上の問題があるとか、セキュリティーの問題が発生しカードの使用を凍結したという内容の偽メールも届く。俺たち、クレジットカードなんて持ってないのにさ」と幹部。