今年3月に終了した山村美紗サスペンスドラマ『赤い霊柩車』シリーズ(フジテレビ系)。1992年から30年以上続いた人気シリーズで、主役(片平なぎさ)と協力して事件を解決する渋~い狩矢(かりや)荘助警部役を演じていたのが俳優の若林豪さんだ。劇団「新国劇」で俳優人生をスタートさせ、刑事ドラマや時代劇などで活躍。正統派二枚目のダンディな俳優として、男女どちらからも高い人気を博した。83歳にして現役の若林さんに、元気の秘訣を聞いた。【前後編の前編】
「いやいや、そんな元気じゃないですよ。83歳ですから、もうすぐ死にますよ(笑)」
インタビュー開始から現場を驚かせた若林さんだったが、本人が発言の真意を語った。
「いやまあ、そういうわけじゃないんですけど、確かに大病はしました。15年前、慢性硬膜下血腫といって、頭蓋骨の下にあって脳を覆っている硬膜と、脳の間に血液がたまる病気をやって、頭蓋骨に穴を開け、たまっている血液をそこから抜く手術を受けました。
手術中、麻酔をしているのに、頭をガーガー、ガラガラと大工道具で穴を開けられるような感覚がありました。医者が『あ、届いた』『これでいいだろう』と話しているのが聞こえて、200ccぐらいの血を抜きました」
心身のダメージが大きかったことは想像に難くない。2008年3月5日、当時68歳だった若林さんは舞台中に体調不良を訴えた。