歳を重ねるにつれて「数値」の変化に対して敏感になる人は多い。ただ、俳優・タレントとして活躍する梅沢富美男氏(72)の考え方は少し違っている。
「ありがたいことに若い時から今まで血圧は低いままであまり気にしなくてよかった。血糖値も普段は注意されるほどじゃないけど、僕は食後にガッと上がってすぐ落ちるタイプみたいなんです。兄弟は高血圧や糖尿病を指摘されているし、段々と気にはなっていました。ただそうは言いながら、数値を細かく測ったりはしないんですよ。病院に行ったら測るくらいで、薬も一切飲んでいません」(梅沢氏、以下「 」内同)
血圧や血糖値が気になると、食べすぎや体重の増加に対して神経を尖らせる人が多い。しかし、梅沢氏は体調を崩した同世代の友人たちの様子を見て、「食べること」の重要性を再認識したという。
「この歳になると身近な方が亡くなることにしょっちゅう遭遇します。その際、みんなに共通しているのが『食べられなくなる』ということ。あんなに食べるのが大好きだった人が少食になって、あっと言う間に亡くなってしまう。そういう姿を見てきたことで食の大事さを再認識した。『食べられる身体』を維持しようと思ったんです。
食べる量が落ちると筋肉が落ち、どんどん食べられなくなってしまいますからね。誤嚥性肺炎や骨折、寝たきりになるリスクも高まると思います」
とはいえ、若い頃のように大量の肉を食べるといった食生活は難しい。そこで現在は、「糖質少なめ、タンパク質多め」の食事を意識している。
「タンパク質摂取のために朝は卵料理を必ず食べています。肉は昔ほど量が食べられなくなったのですが、食べる力を落とさないよう積極的に摂るようにしている。あとは、豆腐や厚揚げなど豆類のタンパク質も食べるようにしています」
役者業は身体が資本。梅沢氏のように健康的な食生活を心がけたい。
※週刊ポスト2023年7月14日号