癒しを求めて観葉植物を育て始めてみたが、枯らしてしまう人も少なくない。その原因の一つとして根詰まりが考えられる。葉がしおれてしまうだけでなく、根が張りすぎて鉢一杯になり、土の上に出てくることもある。そんな根詰まり対策には、新しい鉢に植え替えることが有効。そこで樹医の滝口肇さんに自分でできる植え替え方法を聞いた。
実践「植え替え」にレッツ・トライ!
根詰まりしたオリーブを使って植え替えに挑戦します、
【1】土を混ぜ合わせる
植え替えに必要な土類は、鉢の底に敷く「鉢底石」、ベースとなる「培養土」(水はけをよくする土や肥料などを配合)の2種。培養土は、屋外用(一般的には花・野菜用)、室内用(観葉植物用)のいずれかを、育てる場所に応じて選ぶ。「これだけでもOKですが、根腐れを防ぐために、水はけをよくする赤玉土や日向土、鹿沼土などを、培養土の3分の1程度加えることをおすすめします」(滝口さん・以下同)
土の全体量は、鉢の7〜8割が目安だ。
【2】新しい鉢を用意する
鉢のサイズは直径3cm刻み。現在の鉢が5号(直径15cm)なら、6号(直径18cm)にサイズアップしよう。鉢底の穴は、鉢底ネット等で塞いでおく。「いきなり鉢を大きくすると、根に対する土の量が多すぎて根腐れを招くため、1号ずつ大きくしていきましょう。鉢のサイズが決まったら、土台作りです。底が埋まる程度の量の鉢底石を入れます【A】。次に、底一面に培養土を敷き、手でしっかりとならします【B】」。
【3】古い鉢から植物を抜く
古い鉢から植物を取り出す。
「幹を持って引っこ抜こうとすると、根がちぎれてしまいます。ゴムハンマーか木の棒など、器を割らないもので、鉢のフチをトントンと叩いていきましょう。すると、株ごとスポッと抜けます」
根が張り巡らされておらず、黒い柔らかい根がついている場合は根腐れの状態だ。
【4】3段階に分けて土を埋めていく
【2】の鉢に、植物の重心がまっすぐになるよう株を置く。「片方の手で株を支えながら、【1】の土の3分の1を鉢底全体にかけます。そのままトントンと鉢を上下に振ったり、割り箸などで突いたりしながらすき間なく土を入れ、手で強めに詰め込みます。この段階で植物が自立するはずですので、さらに3分の1の土を入れ、両手でトントンと鉢を上下に振り、【A】よりも弱めの力で土をならしましょう【B】。残りの土をふんわりとかけ、鉢の縁と根元まわりのみ、手でグッと押し込んで土をならします【C】。前述の通り、土の量は鉢の7〜8割。必ず鉢の高さから1〜2割のスペースを空けてください」。植物がグラグラしなければ、植え替え完成。