スポーツ

【大谷翔平の研究】投打で連日出場を可能にする肉体の秘密 専門家は「股関節の使い方がうまい」と指摘

その肉体は進化し続けている(AFLO)

その肉体は進化し続けている(AFLO)

 今シーズン、奪三振率はリーグ2位、本塁打数は両リーグトップ(7月7日時点)と投打ともに躍動している大谷翔平(29)。その好成績とともに驚かされるのは、二刀流で毎日のように試合に出続けていることだ。負担の大きい二刀流でありながら、連日の出場に耐え得る大谷の肉体は驚異的と言うほかない。

 週刊ポスト7月10日発売号では、大谷の肉体について様々なデータをもとに専門家らが検証している。その取材のなかで、筑波大学の准教授でコーチング学や野球方法論が専門の川村卓氏は、大谷の体についてこう評した。

「並の選手なら、登板の翌日は腕にあまり力が入らなくなったり、肩甲骨が動かなくなったりするのが普通です。左打ちの大谷選手の場合なら、右の肩甲骨周りの筋肉が硬くなってバティングでのテイクバックの動作がやりにくくなるはず。

 ところが、大谷選手は何事もなかったかのように、登板した翌日の試合で本塁打を放ってしまうわけですからね。よく肩甲骨の動きが鈍らないなと、不思議で仕方ありません」

 川村氏は、「正直言って、想像以上というか、どう捉えたらいいのかよくわからなくなってきましたね(苦笑)」と付け加えながらも、投打で活躍できる理由については、こう分析しているという。

「一つは合理的な投げ方ができるようになって、体への負担が少なくなっているんだと思います。日本ハム時代には、体重の移動の仕方など下半身の使い方に課題がありましたが、トミー・ジョン手術(2018年10月)を受けて1~2年経った頃には、股関節の使い方が良くなった。それがよって下半身に疲労が溜まりにくい投げ方へと変化したと考えています。

 二つ目は体の柔軟性です。大谷選手は日本人離れした体格・筋肉に加えて、常識外の“肩甲骨周りや上半身の可動域”を持っている。それによって、登板時は肩周りの筋肉をしなやかに使うこと、打撃では効率よくバットを出すことが可能になっています。筋肉の柔軟性は、年齢を重ねたり筋力がついたりすることで損なわれますが、大谷選手の場合はキャリアを積むごとにさらに柔軟になっている」

関連キーワード

関連記事

トピックス

全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
相撲協会の公式カレンダー
《大相撲「番付崩壊時代のカレンダー」はつらいよ》2025年は1月に引退の照ノ富士が4月まで連続登場の“困った事態”に 来年は大の里・豊昇龍の2横綱体制で安泰か 表紙や売り場の置き位置にも変化が
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト