侍ジャパンの次期監督候補が、前ソフトバンク監督の工藤公康氏(60)に一本化される方針であると東スポWEBで報じられた。今年3月に行なわれた第5回大会では、栗山英樹前監督(62)がチームを3大会ぶりの優勝に導いた。次の大会は連覇がかかるだけあって後任の監督選びには注目が集まるが、スポーツ紙デスクはこう語る。
「工藤監督なら投手として通算224勝を挙げ11度の日本一を経験、ソフトバンク監督として7年間の在任中に5度の日本一と実績は十分です。本人も現場復帰への意欲が強く、実現する可能性は高いとみられています」
巨人などで活躍した野球解説者の前田幸長氏は工藤監督についてこう評する。
「工藤さんはデータ重視なので、WBCでも打順とか、継投で組み替えてくるはず。ホークス時代は1シーズンに100通り以上のスタメンを組んできたことを考えると、いろんな場所で駒をうまく動かしながらトーナメント制の短期決戦を戦っていくのでは」
工藤とイチローは「名電ライン」
名実ともに適任に思えるが、関係者からは心配する声もあるという。
「今年のWBCで日本が優勝した大きな要因は、栗山前監督が信頼関係で結ばれたエンゼルス・大谷翔平(29)やパドレス・ダルビッシュ有(36)など、メジャー組を招集できたことです。では、工藤氏の“顔”で大谷をはじめとする海外組を呼べるかと言われるとわかりません。工藤氏を特に慕っているのは元ソフトバンクで現メッツの千賀滉大(30)くらいではないか」(別のスポーツ紙デスク)
工藤新監督のもとで世界一を目指すには、何が必要か。元ソフトバンクのピッチングコーチで野球評論家の杉本正氏はこう語る。
「イチロー(49)をコーチとして就任させるのもありだと思います。そもそも私が工藤監督だとメジャー組がWBCに参加しにくくなるとは考えていませんが、レジェンドであるイチローがコーチに就任すれば、メジャー組招集の不安は軽減されるでしょう。彼の誘いを断われる選手はなかなかいませんからね。それに工藤とイチローは愛工大名電高校の先輩後輩であり、可能性はゼロではない。イチローも将来の侍ジャパン監督就任の準備になるので悪い話ではないでしょう」
実現すれば、最強の“同窓”コンビが誕生する。
※週刊ポスト2023年7月21・28日号