国内

岸田首相の改造人事はどうなるか 最大派閥の安倍派はLGBT法成立ですでに骨抜きに

入閣候補は世襲女性ばかりだという(時事通信フォト)

入閣候補は世襲女性ばかりだという(時事通信フォト)

 前回の内閣改造(昨年8月10日)から間もなく1年。政治の焦点は内閣改造・自民党役員人事に移った。岸田文雄・首相が解散を先送りしたことで永田町の解散風は一時止んだように見えるが、首相は諦めてはいない。内閣改造では秋の解散・総選挙をにらんだ「選挙シフト」を敷くとの見方が有力だ。しかも、来年の自民党総裁選での再選を確実にするために、ライバルたちを内閣や自民党中枢から一掃する“粛清人事”まで練っているようなのだ。

入閣候補は世襲女性ばかり

 岸田首相は今回の改造で選挙アピールのために女性や若手を多く起用する方針とされている。官邸官僚の1人が語る。

「昨年の内閣改造は前倒しで実施したため、身体検査の時間が不十分で新閣僚に旧統一教会との接点が明らかになるケースがあった。そこで今回は総理からリクエストがありそうな女性議員や初入閣候補の若手を含めて、1か月以上前から入念に身体検査させている」

 女性閣僚は「過去最多入閣もあり得る」(岸田側近)と見られており、岸田首相の政治の師でもあるかつての宏池会会長・加藤紘一・元幹事長の三女、鮎子氏らの名前が挙がっている。

 さらに女性枠で再入閣が確実視されているのが茂木派の小渕優子・自民党組織運動本部長だ。小渕氏といえば、経産相時代に政治資金規正法違反事件【※注】で引責辞任し、元秘書の有罪が確定。身体検査では“レッドカード”のはずだが、あえて小渕氏を起用するのは政敵潰しの一環だという。

【※注/2014年10月、当時経済産業相だった小渕優子氏の政治団体が開催し、地元支援者が参加した観劇会をめぐり収支に不透明な点があることが報じられた。元秘書が政治資金規正法違反(虚偽記載・不記載)で起訴され有罪判決を受けたが、小渕氏は嫌疑不十分として不起訴処分となった。一連の報道で、東京地検特捜部が関係先を捜索する直前に、会計書類を保存したパソコンのハードディスクがドリルで破壊されていたことも注目を集めた】

 岸田側近議員の話。

「総理は6月に亡くなった青木幹雄先生との約束を果たすつもりだ。青木さんは茂木派の実力者で小渕さんの後見人でもあったから、昨年の内閣改造前、総理は青木さんと会談した際に小渕さんの入閣を持ちかけた。その時“入閣は次でいい”といわれたそうだ。その約束は守る。

 政治資金問題は10年前の話でみそぎは済んでいる。しかも、茂木派内の青木系議員は、小渕恵三・元首相の娘である小渕さんを派閥の正当な後継者候補と考えていて、茂木氏のことを会長と認めていない。小渕さんを重要閣僚で引き立てることで同派を分裂状態にさせれば、茂木氏の総裁選出馬が難しくなるという効果がある」

関連記事

トピックス

ブラジルを公式訪問している佳子さま(写真/アフロ)
佳子さま、外交関係樹立130周年のブラジルを公式訪問 子供たちと笑顔でハイタッチ、花柄のドレス姿も 
女性セブン
「寂しい見た目」の給食に批判が殺到(X /時事通信フォト)
《中国でもヤバい給食に批判殺到》ラー油かけご飯、唐揚げ1つ、「ご飯にたまご焼きだけ」と炎上した天津丼…日本・中国で相次ぐ貧相給食の背景にある“事情の違い”
NEWSポストセブン
来来亭・浜松幸店の店主が異物混入の詳細を明かした(右は来来亭公式Xより)
《“ウジ虫混入ラーメン”が物議の来来亭》店主が明かした“当日の対応”「店舗内の目視では、虫は確認できなかった」「すぐにラーメンと餃子を作り直して」
NEWSポストセブン
家出した中学生を自宅に住まわせ売春させたとして逮捕された三ノ輪勝容疑者(左はInstagramより)
《顔面タトゥーの男が中学生売春》「地元の警察でも有名だと…」自称暴力団・三ノ輪勝容疑者(33)の“意外な素顔”と近隣住民が耳にしていた「若い女性の声」
NEWSポストセブン
山本賢太アナウンサーのプロフィール。「人生は超回復」がモットー(フジテレビ公式HPより)
《後悔と恥ずかしさ》フジ山本賢太アナが過去のオンラインカジノ利用で謝罪 「うちにも”オンカジ”が…」戦々恐々とする人たち
NEWSポストセブン
親日路線を貫いた尹政権を「日本に擦り寄る屈辱外交」と断じていた李在明氏(時事通信フォト)
韓国・李在明新大統領は親中派「習近平氏の接近は時間の問題」、高まる“日本有事”リスク 日米韓による中国包囲網から韓国が抜ける最悪のケースも
週刊ポスト
田中真一さんと真美子さん(左/リコーブラックラムズ東京の公式サイトより、右/レッドウェーブ公式サイトより)
《真美子さんとの約束》大谷翔平の義兄がラグビーチームを退団していた! 過去に大怪我も現役続行にこだわる「妹との共通点」
NEWSポストセブン
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
《「来来亭」の“ウジムシ混入ラーメン”動画が物議》本部が「他の客のラーメンへの混入」に公式回答「(動画の)お客様以外からのお問い合わせはございません」
NEWSポストセブン
金スマ放送終了に伴いひとり農業生活も引退へ(常陸大宮市のX、TBS公式サイトより)
《金スマ『ひとり農業』ロケ地が耕作放棄地に…》名物ディレクター・ヘルムート氏が畑の所有者に「農地はお返しします」
NEWSポストセブン
6月9日付けで「研音」所属となった俳優・宮野真守(41)。突然の発表はファンにとっても青天の霹靂だった(時事通信フォトより)
《電撃退団の舞台裏》「2029年までスケジュールが埋まっていた」声優・宮野真守が「研音」へ“スピード移籍”した背景と、研音俳優・福士蒼汰との“ただならぬ関係”
NEWSポストセブン
小室夫妻に立ちはだかる壁(時事通信フォト)
《眞子さん第一子出産》年収4000万円の小室圭さんも“カツカツ”に? NYで待ち受ける“高額子育てコスト”「保育施設の年間平均料金は約680万円」
週刊ポスト
清原和博氏は長嶋さんの逝去の翌日、都内のビル街にいた
《長嶋茂雄さん逝去》短パン・サンダル姿、ふくらはぎには…清原和博が翌日に見せた「寂しさを湛えた表情」 “肉体改造”などの批判を庇ったミスターからの「激励の言葉」
NEWSポストセブン