親世代が持っていた“着物”がたんすの中に眠っているという人も少なくないはず。いくら大切な着物でも、「着る機会がない」「リメークするのも面倒」「何十着もあって置く場所に困る」場合は、手放すことも選択肢となる。
着物を手放す手段は、知り合いに譲る、リサイクルショップに買い取ってもらう、オークションに出すなどがあるが、最も手っ取り早く確実なのは、着物を査定するプロがいる買取業者に依頼することだ。
梅沢富美男がCMタレントを務める『ザ・ゴールド』の広報担当者は「特に、いまは着物買取相場が上がってきている」と言う。
「成人式や結婚式、卒業式などのイベントも再開し、インバウンドの影響から上向きになっています。たんすに眠っている着物を高く売るなら、いまがチャンスと言えます」(同社広報担当者・以下同)
特に作家ものの付け下げや訪問着、本場大島紬といった価値の高い着物は値段が高くつきやすい。
「過去には昭和の染織作家・浦野理一さんの着物や帯に80万円以上、加賀友禅の巨匠・由水十久さんの着物や帯はまとめて60万円以上の査定金額がついたことがあります」
査定代無料のところがほとんどなので、1社だけでなく、2〜3社に査定を依頼し、最も高い値段がついたところに買い取ってもらうとよい。
「高く売るためには、虫干しや防虫剤など日頃のお手入れをしっかり行うこと。着物の価値と品質を証明する証紙、箱、たとう紙(着物を包む紙の袋)などの付属品がある場合には、一緒に査定に出すと高い値段がつきやすくなります。
未使用でしつけ糸のついた着物や反物は、そのままの状態で査定に出すと買取金額も上がりやすくなります」
一方、「少しでも状態をよく見せようと、クリーニングに出すのはおすすめしない」と言うのは、『バイセル』広報担当者だ。
「着物のクリーニングは非常に高価なため、お客さまが自己負担でクリーニングをするのは、おすすめしません。着物や帯についた汚れはそのままでも査定可能です。必要があれば、販売前にクリーニングを行いますので、そのままの状態で大丈夫です」
また家紋が入った喪服、元の値段が安いウール着物、カビが生えたもの、傷みがひどいものは、買取不可だ。ただし、仮に査定して値段がつかなかったものでも、無料で引き取ってくれるところもあるので、一度、業者に相談してみよう。
それでも引き取り手がない場合は、ゴミとして処分することになる。ゴミの出し方は資源ゴミや可燃ゴミ扱いなど自治体によって異なるため、自分が住む地域のゴミ管理事業所に問い合わせてみよう。
●着物を高く買い取ってもらうための3か条
・着物を入れる「たとう紙」は捨てずに一緒に査定。
・ふだんから、虫干しするなど保存状態をよくしておく。
・最低でも査定は2〜3社に依頼して、比較する。
※女性セブン2023年7月20日号