世の中にはあまたのダイエット情報があふれているが、迷えるダイエッターたちが頼る食事管理アプリが「あすけん」だ。同アプリは立ち上げから15年で、累計会員数が800万人を突破。身長・体重を入力して、目指す体重や「ダイエットコース」を選択すると、食事画像やバーコードを読み取るだけでカロリーや栄養素が表示され、目標摂取エネルギーや、栄養の過不足が一目瞭然。記録した食事内容や運動量に対して、アドバイスももらえる。
アプリに登録された800万人以上の食事記録データによると、ダイエットに成功している人が食べている食品ランキングの1位は「バナナ」で、以下、ゆで卵、ミニトマト、納豆、キャベツの順だった。
とはいえ、最強食品を積極的に食事に取り入れたとしても、1日3回の食事の摂り方によっても差が生まれる。ビッグデータから見えた「やせる食事法」を見ていこう。たとえば前述のランキング4位の納豆は、朝食に食べるべきだという。あすけんの運営に携わる管理栄養士の道江美貴子さんが言う。
「たんぱく質は朝に摂るのが最も効果的です。というのも、消化するときに熱を発するので、朝食べると体温が上がって、一日の代謝がアップするから。炭水化物とあわせて摂ることで、体内時計がリセットされて体のリズムも整うという相乗効果も期待される。つまり、納豆ご飯は最強の朝食。卵かけご飯にも同様の効果が期待できます」
食物繊維も一日の始まりに摂ることで、より太りにくくなるという。
「『オートミール』など食物繊維が豊富に含まれているものは、ぜひ朝に食べてほしい。食物繊維は食後血糖値の急上昇を抑えますが、昼食後の血糖値も上がりにくい“セカンドミール効果”を得ることができます」
夕食で気をつけたいのは、糖質の摂りすぎだ。
「ダイエットに成功している人は、“ご飯はお茶碗の半分”など、夜の糖質を控えめにする傾向があります。ただし、糖質を含む炭水化物は、脳のエネルギー源でもあり、最低限は必要です。朝や昼に適正量を摂るようにしてください」
ダイエット中は禁物と思いがちな間食も、食物繊維を意識することでやせやすくなる。ダイエット成功者も意外にお菓子を食べていると道江さんは言う。
「干しいもや甘栗は、満足感がありながらカロリーが低い。食物繊維が豊富なこんにゃくゼリーや、砂糖が添加されていないドライフルーツもおすすめです。血糖値を上げにくい低GIの高カカオのチョコレートもダイエット効果のほか、抗酸化作用や血圧を下げる作用もあります」
800万人のデータから見えてきたのは、1日の総摂取カロリーはダイエット前と変わらないのに、食材を変えることでやせたということ。脂質や糖質、塩分、野菜の摂取量などが可視化され、自分の食べぐせが明らかになることで、おのずと選ぶ食材が変わってくるのだ。
「ダイエットというのは、何かひとつのものを食べればやせるわけではありません。野菜や炭水化物、果物がバランスよくランクインしているのも、ダイエットに効果的な栄養素だからです」
最強食品を効果的に食べてやせたひとりとして、あなたも“やせビッグデータ”の仲間入りをしてみる?
※女性セブン2023年7月20日号