ビジネス

被災をきっかけに廃止やBRT転換が目立つローカル線 それでも全線復旧した南阿蘇鉄道と只見線がとった方法

南阿蘇鉄道のトロッコ列車「ゆうすげ号」(右)と、アニメの人気キャラクターなどが描かれたラッピングトレイン。熊本県高森町の高森駅(時事通信フォト)

南阿蘇鉄道のトロッコ列車「ゆうすげ号」(右)と、アニメの人気キャラクターなどが描かれたラッピングトレイン。熊本県高森町の高森駅(時事通信フォト)

 毎年のように豪雨災害が起き、崖崩れや橋梁が壊れたなど、交通が寸断されたニュースが流れる。最近は、その後、復旧を断念という続報を聞くことも珍しくない。ところが、厳しい環境のなか完全復旧を果たした鉄道路線がある。ライターの小川裕夫氏が、鉄道会社だけでなく沿線自治体なども協力して、運用方法を工夫するなどして完全復旧した南阿蘇鉄道と、JR東日本の只見線の例をレポートする。

 * * *
 2023年7月15日、熊本県の南阿蘇鉄道が全線の運転を再開させる。南阿蘇鉄道は熊本県南阿蘇村に所在する立野駅と同県阿蘇郡高森町の高森駅を結ぶ約17.7キロメートルの路線で、2016年に起きた熊本地震で全線が運休に追い込まれた。

 熊本地震の発生から約3か月後には、中松駅―高森駅間が運転を再開。しかし、立野駅―中松駅間の復旧は進んでいなかった。

「中松駅―高森駅間は同年に復旧できましたが、立野駅の復旧に時間を要した主な原因は立野駅から隣駅の長陽駅の間にある第一白川橋梁が損壊したからです。第一白川橋梁の損傷は激しく、建て替えるのに時間を要しました。立野駅はJR豊肥本線との乗換駅になり、利用客が多い駅です。コロナ禍が収束したことで観光客を中心に南阿蘇鉄道は利用者が増加傾向にありますが、全線が復旧して立野駅から南阿蘇鉄道に乗車できるようになれば、さらに利用者増が期待できます」と話すのは、南阿蘇鉄道再生協議会事務局の担当者だ。

 南阿蘇鉄道は旧国鉄時代に高森線という路線だったが、1986年に第3セクターに転換。国鉄時代は高森線の列車が豊肥本線へと直通する列車も運行されていた。第3セクターへと転換後は、南阿蘇鉄道と豊肥本線の直通運転がなくなる。

「今回の全線復旧によって、豊肥本線の肥後大津駅まで乗り入れる列車も運行されるようになります。肥後大津駅は熊本空港の最寄駅ですので、直通運転によって南阿蘇鉄道への誘客が期待できます」(南阿蘇鉄道再生協議会事務局の担当者)

 直通運転によって豊肥本線へと乗り入れる南阿蘇鉄道だが、乗り入れるのは肥後大津駅まで。そこから熊本市の中心部へと向かうには、乗り換えが必要になる。熊本市は説明するまでもなく熊本県の県庁所在地で、政令指定都市でもある。南阿蘇鉄道の列車が熊本市まで直通できれば、通勤・通学の足としての需要も期待できる。

 しかし、南阿蘇鉄道は非電化路線で、豊肥本線は肥後大津駅から熊本駅までが電化区間となっている。直通列車が走らない理由は電化・非電化だけではないだろうが、現段階では「熊本駅まで乗り入れるという話は出ていない」(南阿蘇鉄道再生協議会事務局の担当者)という。

関連記事

トピックス

岡田結実
《女優・岡田結実(24)結婚発表》結婚相手は高身長の一般男性 変装なしの“ペアルックデート”で見せていた笑顔
NEWSポストセブン
ウッチャンナンチャンがMCを務める番組『チャンハウス』
【スクープ】フジテレビがウンナン&出川MCのバラエティー番組で小学生発言を“ねつ造演出”疑惑 フジは「発言意図を誤解して編集」と説明、謝罪 
女性セブン
同区在住で農業を営む古橋昭彦容疑者は現行犯逮捕された
《浜松高齢ドライバー事故》「昭坊はエースピッチャーで自治会長をやっていた」小学生の列に突っ込んだ古橋昭彦容疑者(78)の人柄【小学2年生の女児が死亡】
NEWSポストセブン
くら寿司
《ピンク色の破れたゴムを…》「くら寿司」が迷惑行為に声明「厳正な対応を行う予定」実行者は謝罪連絡入れるも…吐露していた“後悔の言葉”
NEWSポストセブン
中学時代の江口容疑者と、現場となった自宅
「ガチ恋だったのかな」女子高生死体遺棄の江口真先容疑者(21) 知人が語る“陰キャだった少年時代”「昔からゲーマー。国民的アニメのカードゲームにハマってた」【愛知・一宮市】
NEWSポストセブン
巨人戦で審判の判定に抗議する中日・星野仙一監督(1999年、時事通信フォト)
“ジャンパイア”疑惑で考えるマスの傲慢 「球界の盟主・巨人」をどこまで特別扱いするかは「人類社会に共通する普遍的テーマ」である【中日ドラゴンズに学ぶ人生の教訓】
NEWSポストセブン
すき家がネズミ混入を認め全店閉店へ(左・時事通信フォト、右・HPより 写真は当該の店舗ではありません)
【こんなに汚かったのか…】全店閉店中の「すき家」現役クルーが証言「ネズミ混入で売上4割減」 各店舗に“緊急告知”した内容
NEWSポストセブン
動物言語学者・鈴木俊貴氏(左)と小説家の川上弘美氏が動物言語について語り合う
【対談】『僕には鳥の言葉がわかる』著者・鈴木俊貴氏と自らの小説に“鳥の言葉”を登場させた川上弘美氏が語り合う「動物言語が切り拓く未来の可能性」
週刊ポスト
中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ(右・時事通信フォト)
X子さんフジ退社後に「ひと段落ついた感じかな」…調査報告書から見えた中居正広氏の態度《見舞金の贈与税を心配、メッセージを「見たら削除して」と要請》
NEWSポストセブン
ロコ・ソラーレが関東で初めてファンミーティングを開催(Instagramより)
《新メンバーの名前なし》ロコ・ソラーレ4人、初の関東ファンミーティング開催に自身も参加する代表理事・本橋麻里の「思惑」 チケットは5分で完売
NEWSポストセブン
中居氏による性暴力でフジテレビの企業体質も問われることになった(右・時事通信)
《先輩女性アナ・F氏に同情の声》「名誉回復してあげないと可哀想ではない?」アナウンス室部長として奔走“一管理職の職責を超える”心労も
NEWSポストセブン
大手寿司チェーン「くら寿司」で迷惑行為となる画像がXで拡散された(時事通信フォト)
《善悪わからんくなる》「くら寿司」で“避妊具が皿の戻し口に…”の迷惑行為、Xで拡散 くら寿司広報担当は「対応を検討中」
NEWSポストセブン