さまざまな「サブスクリプションサービス」が登場しているなか、「旅のサブスク」が話題だという。「旅のサブスク」とはいったいどんなものか? 同システムを提供する予約サイト『HafH(以下ハフ)』に話を聞いた。
「毎月定額料金(スタンダードは9800円)をお支払いいただくと、ハフ内で使えるコイン(300コイン)が付与されます。そのコインを使って、国内外約2000軒のホテルの中から、お好みの施設に宿泊できるサービスです」(ハフの広報・澤木さん)
施設は、ランクにより1泊50〜数千コインまであり、300コインで泊まる場合、50コインの施設なら6泊、100コインの施設なら3泊できるという仕組みだ。
「一番人気の『OMO3 東京赤坂(おもすりー) by 星野リゾート』の通常料金は、1泊1室あたり1万8000円〜(食事なし)ですが、ハフなら250コイン(約8200円)〜で宿泊可能。休前日も平日もコイン数は同じなので、『週末に泊まりたいのに高い』という障壁からも解放されます。
コインの有効期限はないので、マイルのように積み立てていくこともできます」(澤木さん・以下同)
いわば“旅行貯金”。予約時にはすでに料金が支払われているので、何となくトクした気分にもなる。
登録者は30代が多いが、40代以上も増加の傾向にあり、中高年こそ使用のメリットがあるという。
「予約までのステップがシンプルで、サイト予約が苦手なかたでもわかりやすい点です。
ほかの予約サイトでは、1つのホテルだけでも多くの部屋タイプやプランがあり、さらに朝食の有無など、選択肢が多すぎるのが難点ですが、ハフでは、部屋タイプを絞り、基本的に素泊まり(一部例外あり)にすることで、数クリックで予約完了まで進むことができます」
遠方への旅だけでなく、ステイケーション(近場のホテルで休暇を過ごす)、子供を夫に預けてリフレッシュする“ポジティブ家出”など、暮らしの延長として利用する人も多い。意外にも、これまで旅行をしてこなかった人たちが、ハフのサービスを使い始めているという。
「運動不足でジムに入会するような感覚で、在宅ワーク等で『家に閉じこもっている習慣を変えたい』と、登録されるかたもいらっしゃいます。そこから、旅の楽しさに目覚めていただきたいですね」
今年から海外ホテルの施設の開拓にも力を入れているという。「旅行を習慣にしたい」と思う人には、魅力的な選択だ。
【HafHサービスの概要】
2019年に始まった宿泊予約のサブスクサービス。現在の登録者数は約6万人。プランは、スタンダードプラン9800円(毎月300コイン付与)と、お試しのベーシックプラン2980円(80コイン付与)がある。1名予約がベースだが、2名以上で宿泊できる部屋もあり、非会員も泊まることができる。また、清潔性や快適性、Wi-Fi環境など、「ハフクオリティ」と呼ばれる基準をクリアした施設のみが登録されており、部屋選びの信頼性も高い。5月より、JAL国内線航空券の購入が可能となった。
取材・文/佐藤有栄
※女性セブン2023年7月27日号