絶対的な強さを誇っていたソフトバンクにかつての王者の面影がない。前半戦最終戦となった7月17日のオリックス戦で0-3と完封負け。1996年以来27年ぶりの9連敗と長いトンネルから抜け出せない。
8試合連続2得点以下と打線がつながらない。オリックス3連戦は山本由伸、宮城大弥、山下舜平大の先発3本柱に計3得点のみとねじ伏せられた。就任2年目の藤本博史監督に対する風当たりも強くなっている。
地元・福岡のテレビ関係者は厳しい見方を示す。
「疑問を抱く采配が多いのは事実です。負けが込んでも打線の大幅なテコ入れをせず、好調な若手を継続して使わない。気になるのは采配だけではない。試合中にミスが出たり、投手が痛打を浴びると顔をしかめたり態度に出す。試合後のコメントで個々の選手への批判も目立つ。結果を出さなければいけないという焦りを感じます。藤本監督は今年が2年契約の最終年。この戦いぶりだと2年連続V逸で来季の契約延長は厳しい」
2011年にコーチとしてソフトバンクに復帰し、2019年から三軍監督を2年間、2021年に二軍監督で若手の育成に尽力し、昨年、監督に就任した。前任の工藤公康監督は7年指揮をとり、日本一5回と黄金時代を築いたが、監督最終年の2021年は4位と低迷。主力選手たちに衰えが見え始め、若返りの変革期でチーム再建を託されたのが藤本監督だった。
だが、柳田悠岐、中村晃、今宮健太、牧原大成、甲斐拓也ら30歳を越える選手たちに依存しているチーム体質は2年経っても変わらない。昨オフは近藤健介、嶺井博希をFAで補強したほか、元阪神のジョー・ガンケル、メジャーでプレーしていた有原航平、昨季途中にロッテに加入して守護神を務めたメジャー通算155セーブのロベルト・オスナの獲得に成功したが、チーム全体の戦力が底上げされた感覚は薄い。
「藤本監督は現役時代に弱小球団だった南海、ダイエーの中心選手だった。前任の工藤さん、秋山幸二さんのように勝つための理論、哲学を持っているわけではなく、コーチ時代は選手の良い兄貴分というイメージの指導者だった。選手層は昨年より厚くなりましたが、うまく使いこなせていないように見える。勝てる監督ではないし、伸び悩んでいる若手が多いので厳しい」(スポーツ紙デスク)