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【なぜ生きるのか】杉良太郎が語った“福祉活動を続ける”信念「人助けを大ごとに考えていない」

杉良太郎

7月10日、東京大学にて。杉良太郎が行った特別講義をレポート

 現在、日本人の平均寿命は男性81.49才、女性87.60才で、明治時代の約2倍となった。2050年には女性の平均寿命は90才を超える見込みだという。だが、長生きは決して楽しいことばかりではない。私たちにとって生き続ける意味とは──。

 なぜ、人はつらくても生きようとするのだろう──その疑問を常に念頭に、答えを追い求め続ける人物がいる。歌手で俳優の杉良太郎だ。7月10日、杉は東京大学の先端科学技術研究センター(以下、先端研)で催された「第5回先端研クロストーク」に出席し、スペシャルゲストとして特別講演を行った。

 先端研では昨年より、様々な分野のプロフェッショナルを招いて多様な観点から意見を交換し合う場を設けており、超高齢社会に焦点が当てられた今回、杉は「なぜ、生きるのか〜超高齢者化社会においてできることとは〜」と題して、スピーチをした。颯爽とステージに上がった杉は、こう語り始めた。

「格差社会と言われ金銭的な格差、健康的な格差が開いています。健康に恵まれず、病気でつらくても1日でも長生きしようと、踏ん張っておられる皆さんがいる。私自身も若い時分に栄養失調になりながらも、一生懸命、ここまで生きてきました」

 この8月、79才の誕生日を迎える杉だが、年齢的衰えを実感する瞬間もあると明かす。

「昔は何本もの主演ドラマを東京、京都で掛け持ちしていても、立ち回りやせりふを覚えることに困ることは全然なかった。現場へ台本を持ち込んで“よーい!”がかかる直前までに暗記をして、NGを出したことはなかった。2時間の舞台でも、移動の車中で5時間もあったら完璧に覚えられたんです。でも、それは若い頃の話。年を取ると、そうはいかなくなるんです。鍛えていないと、加齢で集中力が衰えていくんでしょうね」(杉)

 厚生労働省健康行政特別参与を務める杉は、「一般社団法人日本国際ダンス連盟FIDA JAPAN」の名誉会長という肩書も持ち、ダンスを通じて健康な心と体作りを促進している。

 年齢を重ねても病気にならずに心身ともに元気に生きるため、2020年よりFIDA JAPAN内に「ダンス健康クラブ」を立ち上げて、ヒップホップダンスによる高齢者層の健康増進に取り組んできた。

 65才以上をシニアではなくGOLD世代(GoodOLD:古き良き/良い形で年を重ねているという意味が込められた言葉)と呼び、47都道府県にGOLD世代のダンスチームを作る計画が進んでいる。

「普段から体を動かしている人と動かしていない人では同年代でも、脳の働きに大きく差が出ます。日常的に脳を刺激していないとせりふじゃないけれど、ダンスの振りが覚えられない。逆に、振りを覚えている人は脳が活性化されて、体を動かすことでストレスも発散され、より健康に生き生きと輝く。ダンスをしている人、していない人を比較して、ダンスの健康効果を検証する作業をしています」(杉)

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