NEWSポストセブンがスクープした、国立循環器病研究センター(大阪・吹田市)の大津欣也理事長(64)による、研究論文の改ざん疑惑に注目が集まっている。7月19日夕方、ジャーナリスト・岩澤倫彦氏と本誌・週刊ポスト取材班が、この疑惑に関して初めて報道すると、同日夜に同センターが急遽、第三者による調査開始を決定したというリリースを発表。7月21日発売の週刊ポストで詳報するが、疑惑の渦中にある大津氏が直撃取材に応じた。
今年6月、大津氏が2003年から2020年にかけて責任著者として発表した7つの研究論文について、論文の検証サイト「パブピア(PubPeer)」で、不正行為の疑いが投稿された。「別の実験画像の再利用」「実験画像の切り貼り」「コントラスト(濃淡)の加工」など、研究論文の改ざん・捏造の疑いが、証拠となる画像とともに指摘されている。疑義が呈されたのは心臓病に関連する基礎研究などだ。
国立循環器病研究センターは心臓病の治療と研究で、絶対的な権威として君臨しているだけに、経営トップによる研究論文の不正疑惑は、各メディアが一斉に報じるなど波紋が広がっている。その第一報をNEWSポストセブンで報じた直後、取材班が国循から帰宅する途中だった大津氏に声をかけると、淡々と応じた。
──論文の捏造・改ざんについて、実際はどうなのか?
大津氏「それは今、調査委員会で調査してもらっていますけども」
──調査委員会は、まだ立ち上がっていないのでは?
大津氏「僕は(調査から)切り離されているんで。この前の理事会で、第三者の調査委員会を立ち上げる決定をして、それからは監事の弁護士が中心にやっているそうです」