「ヨガの母」「宇宙の母」という意味を持つ「ヨグマタ」。ヨガのマスターとして与えられた尊称を持つ相川圭子さんが読者のお悩みに答える、週刊ポストでの人生相談連載。第2回目の相談はこちら──。
Q:世間では大手と呼ばれる企業に大卒で入社し、仕事一筋に生きてきました。ある程度の出世もしたし、今の自分には満足しています。しかし、50代も後半になり最近は退職後の人生を強く意識するようになりました。自分は独身でこれといった趣味もなく、会社員という肩書を失ったら毎日どう生きていけばいいのか、不安になります。第二の人生として60代以降の生き方や心の持ち方についてアドバイスをいただけますか?(58歳・会社役員)
心が“整う”ことで肩書のいらない自分に リタイアは生き方を整理するいい機会です
A:会社員とは会社での役割です。いわば、職場で求められて演じていた、かりそめの姿。肩書が外れることに不安を感じる人は、素の自分になることに自信が持てないのでしょう。
人生の本当の目的は悟りです。自己を正して本当の自分とは何か、真理を探究していくこと。仕事を失って第二の人生が始まる今こそ、振り返って生き方を整理整頓するいい機会です。
リタイアして1~2年は食べ歩きや旅行など、欲望の赴くまま過ごしてみるのもいいと思います。自分の欲望だけを充たしていれば必ず行き詰まり、その生き方では幸せになれないと気付くからです。物質的に恵まれていても、心の中が充たされていなければ真の意味で幸せにはなれません。
これまであなたがやってきたこと、この先の人生でやってみたいことを紙に書きだしてみましょう。書くことが瞑想となり、自分がどう生きるべきか鮮明になります。過去にやってきたことは自分に関することだけではなく、人のために何ができたかということもぜひ併せて書いてください。これからは、人が喜ぶ生き方を追求していくのです。
皆が幸せになってほしいと真心で願いながら、瞑想で内側を整えます。あなたの心が“整う”ことでどんな環境に身を置こうと、動じなくなる。本質の自分に近付いて、肩書のいらない自分になっていきます。
若い人に昔話をして価値観を押しつける、会社員時代の役職をちらつかせて認めてもらおうとする。そうやって自我を充たそうとするのは、内側が充ちていないからです。それではうるさがられて、嫌われるお年寄りになってしまいます。
周囲が元気でいられるように励ましたり、培ってきた知識を生かして若い人を育てたりすれば、愛されるお年寄りになれる。心を整えて、愛の癒しの存在になるのです。心が平和になることであなた自身も充たされて、充実した人生をすごせるようになります。
【プロフィール】
相川圭子(あいかわ・けいこ)/女性で史上初めて「究極のサマディ(悟り)」に達した、現在世界で会えるたった2人のヒマラヤ大聖者の1人。5000年の伝統をもつヒマラヤ秘教の正統な継承者で、2007年にはインドスピリチュアル協会から最高の聖者の称号「マハ・マンダレシュワル」を授かる。2016、17年には国連本部で主賓として平和のスピーチも行なった。TBSラジオ『相川圭子 幸せへのメッセージ』にレギュラー出演中。著書は累計100万部を超える。
協力:サイエンス・オブ・エンライトメント https://www.science.ne.jp/
※週刊ポスト2023年8月4日号