宮崎駿監督の10年ぶりとなる長編アニメ映画『君たちはどう生きるか』が7月14日に封切られた。事前に公開されたのは、タイトルと1枚のキービジュアルのみ。宣伝を一切しない今作は、フタを開けるまで内容が分からない作品だった。
公開初日に明かされたキャストは、菅田将暉や柴咲コウ、木村拓哉、風吹ジュン、竹下景子、火野正平など錚々たる名前が並んだが、なかでもSNSで絶賛されたのが木村佳乃(47)だった。
主人公の継母・夏子役で、心を開かない息子を愛し、見守る──そんな難役を演じた木村の演技について、
〈すごく役に合ってた〉〈上手すぎて気付かなかった!〉と驚きの声が多数上がった。声だけで慈愛に満ちた継母を完璧に演じた木村について、映画を見た芸能関係者はこう語る。
「実生活では東山紀之さんとの間に2人の娘がいます。親子の機微は実体験としてよく分かっている方なので、役には入りやすかったんでしょうね。木村さんは『なるようになる』が子育ての持論で、上手くいかなくても思い詰めない。劇中での主人公との距離感や泰然とした佇まいは、まんま木村さんだなと感じました」
女性誌のインタビューで子育てについて聞かれた際も、「大丈夫。絶対に大丈夫になります。深く考え込まないことです」「人間は順応していく生きものです」「完璧を求めても無理なものは無理。時間には限りがありますから、自分のできる範囲でやるしかない」などと語っていた(『FRaU』2018年3月号)。
役者たちの熱演が光る『君たちはどう生きるか』は快進撃を続けており、公開4日間で観客動員135万人、興行収入21.4億円を突破。この数字は、2001年公開の宮崎監督作『千と千尋の神隠し』(最終興収316.8億円)の初動4日間の興行収入を超える記録だという。
木村ママの魅力が多くの観客に伝わったはずだ。
※週刊ポスト2023年8月4日号