ライフ

【進化する補聴器】鳥越俊太郎、田原総一朗、梅沢富美男が実感「恥ずかしがる必要なんてなかった」

補聴器が必要になったら、どう選ぶ?(イメージ)

補聴器が必要になったら、どう選ぶ?(イメージ)

 元気に自立して過ごせる期間を「健康寿命」というが、それに欠かせないのが「耳」の健康だ。家族や友人との会話は生活の要であるだけでなく、将来的な認知機能の維持にも影響する。

 すでに難聴が始まっている人は「補聴器」の使用という選択肢もある。しかし、何も考えずに購入するのは危険だ。日本耳鼻咽喉科頭頸部学会認定の補聴器相談医・大場俊彦医師(慶友銀座クリニック院長)が解説する。

「補聴器は眼鏡店や電気店、通信販売などでも買うことができます。しかし、医師の診断を受けてからでないと、トラブルが起きやすい。聞こえは治療でよくなる場合がありますが、それには耳鼻科医の診断が不可欠です」

 医師から補聴器が必要と診断された際は、どんなものを選べばいいのか。

「聞こえがよくなる製品を選んでいきますが、性能が同じでも、サイズが小さく着用しているのが目立ちにくいものほど高価になる傾向があります。『最初は安いものから』と考えがちですが、価格よりも効果を実感できる製品を選びましょう。基本は両耳につけますが、慣れるまでは片耳だけで試してもいい」(同前)

「補聴器を耳につけるのは恥ずかしい」と抵抗感を持つ人がいるかもしれないが、実際に使用する人の多くは「生活が大きく改善した」と語る。ジャーナリストの鳥越俊太郎氏(83)もその一人だ。

「60歳頃から耳鳴りが出て、左耳の聞こえが悪くなりました。すれ違いざまに声をかけられても気付かなくて、相手の気分を害してしまうことも。女房とドラマを観ても、私だけセリフが聞こえない。音量を上げると『うるさい』と言われて」

 コミュニケーションの質が落ちたことを実感するなか耳鼻科医の勧めで出会ったのが、オーダーメイドの補聴器だった。

「耳の穴にフィットするので使い心地がよく、聞こえもよくなった。人の声だけを拾う調整機能もあって助かっています。耳鳴りに加えてめまいもありましたが、今はなくなりました」(同前)

 その鳥越氏から補聴器を勧められたのが、ジャーナリストの田原総一朗氏(89)。田原氏が語る。

「聞こえの悪さは僕以外の周りの人たちは気付いていたようで、娘にも『聞き返しが多い』と指摘されていました。それでも煩わしくて補聴器を嫌がっていた僕に、鳥越さんが、『ジャーナリストなんだから人の話はちゃんと聞けたほうがいいよ』と勧めてくれたんです」

 鳥越氏と同じ製品を使用し始めると、「安心感が出て相手との会話がスムーズになった」という。

「高齢者はまず高音域が落ちてきて、子音が聞き取れなくなります。すると、会話をしても音は聞こえるけど何を言っているか意味がわからなくなる。質問が聞き取れず、答えを返せないのは本当につらいですよ。求められる限り現役で仕事をするためにも、『聞くこと』は何より大切です」(同前)

関連キーワード

関連記事

トピックス

田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
暴力団幹部たちが熱心に取り組む若見えの工夫 ネイルサロンに通い、にんにく注射も 「プラセンタ注射はみんな打ってる」
NEWSポストセブン
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン