芸能

高田文夫氏が率いる「オール日芸寄席」山形編 志らく、白鳥、一之輔、テツandトモと“夏の合宿”

日本大学芸術学部の後輩たちとの「オール日芸寄席」山形編(イラスト/佐野文二郎)

日本大学芸術学部の後輩たちとの「オール日芸寄席」山形編(イラスト/佐野文二郎)

 放送作家、タレント、演芸評論家、そして立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、日本大学芸術学部の後輩たちとの「オール日芸寄席」山形編について綴る。

 * * *
「暑い」という言葉をこの世から消したいほどアツイ。

 そんな中、私にとっては久しぶりの地方公演(7月18日)。日大芸術学部の落語研究会の先輩・後輩らで開催してきた「オール日芸寄席」。今回はなんと山形編である。何故山形でひらかれたのか? きっと誰かが癒着しているのだろう。「山形放送開局70周年事業」なんてポスターには書いてある。

 しかし、たまには先輩と後輩が長いこと列車に乗って舞台やって全員集まり飲み会もなにやら“夏の合宿”みたいで楽しくていいものだ。日大の理事長を林真理子にゆずった私は75。立川志らく(もうすぐ60)、三遊亭かわりもの白鳥(60)、一番下が春風亭一之輔(45)である。等しく15歳ずつ違う。これに山形出身の「なんでだろー」テツandトモ。地方でなければこのメンバーにゲストとして爆笑問題(太田はウラでない)や宮藤官九郎というとんでもなく豪華な日芸オールスターである。

『笑点』のレギュラーにもなったし、辛口だしで“一之輔人気”をヒシヒシ感じる。舞台にズラリ並んで私が「あいさつでもしとくか」と言えば一之輔「笑点に魂を売った男、一之輔です」。もうこれだけでドッカーンである。山形市民会館には山形県民全員が入ったのかと思うほどの超満員。負けず嫌いの志らくがすかさず「ひるおびに魂を売った男、志らくです」に客席が波打つ。すかさず私が白鳥を指さして「これが上野で血を売った白鳥です」。白鳥が真っ赤になって「やめて下さーい。本当のことは」にまたドッカーン。先輩と後輩、いい呼吸である。

 ここにもし生きていれば私と同期の古今亭右朝(名人間違いなしと言われ52歳で死去)、そして大監督にまで登りつめた私の1年後輩の森田芳光がいたのだ。こうやって皆なでワイワイ集まると森田のデビュー作『の・ようなもの』の世界である。いくつになってもどんなに偉くなっても、こうやって普通に集まれるのが仲間のよさである。

 打ちあげをやっていると白鳥もうベロベロ。始まって30分もしないうちに「ハイみんな~ッ。もう高田先生がおねむなので今日はここまで」。ひとのせいにしやがる。そこへサンキュータツオが近くの大学で講義を終えたとかで入ってくる。しみじみ「いいなぁ日芸。こうやって今でも旅してるんだから。来年日芸受けようっと。入ったらオール日芸出してくれます?」だと。それより私がびっくりしたのは山形の人たちはおしゃれでスマート。何たって全員が二足歩行なのだ(byツービート)。

※週刊ポスト2023年8月11日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

米利休氏のTikTok「保証年収15万円」
東大卒でも〈年収15万円〉…廃業寸前ギリギリ米農家のリアルとは《寄せられた「月収ではなくて?」「もっとマシなウソをつけ」の声に反論》
NEWSポストセブン
埼玉では歩かずに立ち止まることを義務づける条例まで施行されたエスカレーター…トラブルが起きやすい事情とは(時事通信フォト)
万博で再燃の「エスカレーター片側空け」問題から何を学ぶか
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン
SNS上で「ドバイ案件」が大騒動になっている(時事通信フォト)
《ドバイ“ヤギ案件”騒動の背景》美女や関係者が証言する「砂漠のテントで女性10人と性的パーティー」「5万米ドルで歯を抜かれたり、殴られたり」
NEWSポストセブン
事業仕分けで蓮舫行政刷新担当大臣(当時)と親しげに会話する玉木氏(2010年10月撮影:小川裕夫)
《キョロ充からリア充へ?》玉木雄一郎代表、国民民主党躍進の背景に「なぜか目立つところにいる天性の才能」
NEWSポストセブン
“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン
米利休氏とじいちゃん(米利休氏が立ち上げたブランド「利休宝園」サイトより)
「続ければ続けるほど赤字」とわかっていても“1998年生まれ東大卒”が“じいちゃんの赤字米農家”を継いだワケ《深刻な後継者不足問題》
NEWSポストセブン
田村容疑者のSNSのカバー画像
《目玉が入ったビンへの言葉がカギに》田村瑠奈の母・浩子被告、眼球見せられ「すごいね。」に有罪判決、裁判長が諭した“母親としての在り方”【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
アメリカから帰国後した白井秀征容疑(時事通信フォト)
「ガイコツが真っ黒こげで…こんな残虐なこと、人間じゃない」岡崎彩咲陽さんの遺体にあった“異常な形跡”と白井秀征容疑者が母親と交わした“不穏なメッセージ” 〈押し入れ開けた?〉【川崎ストーカー死体遺棄】
NEWSポストセブン
赤西と元妻・黒木メイサ
《赤西仁と広瀬アリスの左手薬指にペアリング》沈黙の黒木メイサと電撃離婚から約1年半、元妻がSNSで吐露していた「哺乳瓶洗いながら泣いた」過去
NEWSポストセブン
元交際相手の白井秀征容疑者からはおびただしい数の着信が_(本人SNS/親族提供)
《川崎ストーカー死体遺棄》「おばちゃん、ヒデが家の近くにいるから怖い。すぐに来て」20歳被害女性の親族が証言する白井秀征容疑者(27)の“あまりに執念深いストーカー行為”
NEWSポストセブン
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《永野芽郁のほっぺたを両手で包み…》田中圭 仲間の前でも「めい、めい」と呼ぶ“近すぎ距離感” バーで目撃されていた「だからさぁ、あれはさ!」
NEWSポストセブン