ここまでフラストレーションをためる大谷翔平(29才)の姿は、これまであまりなかったものだ。ロサンゼルス・エンゼルスは優勝へとつながるプレーオフ進出に向け、ギリギリの戦いを続けている。しかし、好成績を残す大谷は勝負を避けられる機会が多い。いつもはポーカーフェースの大谷が、感情を表に出すシーンが見られている。
だが、大谷はこれまでにも数多のハードルを乗り越えてきた。その陰には、本人の努力はもちろん、切磋琢磨する「同級生アスリート」たちから得たヒントがあった。7月23日、ラグビー日本代表の姫野和樹(29才)が、『シューイチ』(日本テレビ系)に出演。「親交のあるアスリート」を聞かれ、大谷の名前を挙げた。
「大谷選手は、肉弾戦が繰り広げられるラグビーを、“究極のスポーツ”と捉えていて、食事に行った際、姫野選手にトレーニング方法などを熱心に質問していたそうです」(スポーツライター)
大谷と姫野は、1994年度生まれの同級生だ。この世代はいま、日本のスポーツ界を牽引している。大谷と姫野をはじめ、野球界では鈴木誠也、サッカーの浅野拓磨、南野拓実、水泳の萩野公介(2021年に引退)、瀬戸大也、バドミントンの桃田賢斗、奥原希望、スピードスケートの高木美帆、柔道のベイカー茉秋らがいる。大谷と姫野がトレーニング談議に花を咲かせたのは、そんな同世代のアスリートが集う「94年会」でのことだったという。
「2016年頃から、大谷選手は萩野さんや瀬戸選手らとシーズンオフに食事に行くようになりました。昨オフの帰国時、大谷選手は“外食したのは4回”と明かしたほど会合などに参加することはまれですが、そんな彼が顔を出す数少ない機会の1つが、『94年会』なんです。同世代のアスリートから刺激をもらい、野球に役立つものはすべて吸収して糧にしようという大谷選手の姿勢がうかがえます」(前出・スポーツライター)
野球をしている時間以外はずっと寝ているような印象の強い大谷だが、決して「人との出会いや交流」が嫌いなわけではない。
「2019年に、同じ“94年組”のバスケットボールの渡邉雄太選手とアメリカで会う機会がありました。これは瀬戸選手の仲介で実現したそうです。交流はその後も続いており、今年4月20日には、お互いのユニホームを着てそれぞれ試合会場入りするパフォーマンスも見せました」(スポーツジャーナリスト)
広がりつつある同世代アスリートの輪。そこに大谷が参加を切望する“最後の大物”がいる。羽生結弦(28才)だ。姫野は前述した『シューイチ』で、「今度、羽生結弦を呼ばなきゃね。おれたちの夢だよね、って言ってるんです」という大谷とのやりとりを明かした。
「羽生さんを呼び込もうと積極的なのは大谷選手なんです。大谷選手は、1994年度生まれが注目されるようになった頃、“ぼくらは羽生世代”と語っています。たしかに、世界的な活躍が早かったのは羽生さんでしたから、世代の中心には羽生さんがいると考えているのでしょう。
フィギュアスケートは全身の力強さや、指先に至るまでの繊細さやしなやかさが求められる一方、大観衆の前で豊かな表現力を発揮するためメンタルの強さを求められる。そういった“心の力”を、羽生さんから吸収したいようです」(前出・スポーツライター)
大谷と羽生の“化学反応”は、一体何を生み出すだろうか。
※女性セブン2023年8月17・24日号