国内

山口壮・前環境大臣「地球6周分のガソリン代」を政治資金から支出、CO2排出量は40トンの計算 私的使用なら虚偽記入の可能性も

高額なガソリン代を政治資金から支出した山口壮・前環境大臣(時事通信フォト)

高額なガソリン代を政治資金から支出した山口壮・前環境大臣(時事通信フォト)

「脱炭素を日本全体に広げ、さらには世界中の脱炭素に貢献したい」。昨年7月に東京で開かれた国連気候変動枠組条約主催の国際会議で時の山口壮(つよし)・環境大臣はそう高らかに演説した。

 だが、この前大臣、毎年政治資金で莫大なガソリン代を払っていた。走行距離に換算して、年間地球6周分になるのだ。

 山口氏といえば、外務官僚出身で野田佳彦内閣の外務副大臣を務めたが、「民主党に限界を感じた」と離党(除名)。その後、2015年に自民党に入党すると、二階俊博・幹事長(当時)の下で筆頭副幹事長、二階派事務総長を務め、入党わずか6年にして岸田内閣の環境大臣として入閣するスピード出世ぶりだ。

 官僚出身の政治家には珍しく“ドブ板選挙”に熱心だ。地元の兵庫12区では、「山口先生は選挙になると車に自転車を積んでやってきて、あとは自転車で地域をくまなく回っていきますね」(有権者)と自転車行脚で知られている。

 ところが、山口氏が代表を務める自民党支部(兵庫県第十二選挙区支部)の政治資金収支報告書を見ると、環境大臣に就任した2021年には、就任直後の11月に約31万円、12月にも約29万円など、ガソリン代を年間約275万円も支出していた。

 同報告書にはフォレスターの自動車税を支出しており、政治活動に使っている車だと考えられる。当時のガソリン代を平均1L=160円と仮定し、フォレスターのカタログ燃費(1L=14km)で走行距離を試算すると年間約24万km、地球を約6周したことになる。排出した二酸化炭素は40トンほどになる(注:燃費が1L=14kmの際の1km走行時のCO2排出量=0.16kgで計算)。

 同支部の3年分の政治資金を見ても、2019年は約242万円、コロナの外出自粛が続いた2020年でも約196万円のガソリン代支出が報告されていた。

 政治資金の高額ガソリン代問題といえば、かつて山尾志桜里・元代議士の資金管理団体が年間約230万円を計上して「地球5周分」と批判され、後に元公設秘書が不正にガソリン代を請求していたことが明らかになった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
宮城県栗原市でクマと戦い生き残った秋田犬「テツ」(左の写真はサンプルです)
《熊と戦った秋田犬の壮絶な闘い》「愛犬が背中からダラダラと流血…」飼い主が語る緊迫の瞬間「扉を開けるとクマが1秒でこちらに飛びかかってきた」
NEWSポストセブン
高市早苗総理の”台湾有事発言”をめぐり、日中関係が冷え込んでいる(時事通信フォト)
【中国人観光客減少への本音】「高市さんはもう少し言い方を考えて」vs.「正直このまま来なくていい」消えた訪日客に浅草の人々が賛否、着物レンタル業者は“売上2〜3割減”見込みも
NEWSポストセブン
全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン