東京都渋谷区の澤田伸副区長が、区幹部らが閲覧できる職場のチャットに、くわずるゆき子区議を「桑ブタ」「早めに封じておかないとね」などと中傷する書き込みを行っていたこと、そしてプライベートな住まいを暴露していたことがNEWSポストセブンの取材で発覚。これを受けて、都内で会見を行ったくわずる区議に続き、翌8月8日には、渋谷区が不適切発言についての記者会見を行い、澤田副区長の辞任を発表した。
区によると同日15時に、長谷部健区長同席のもと、澤田副区長がくわずる区議へ直接謝罪を行ったという。
澤田副区長は63歳。1984年に立教大学経済学部を卒業後、博報堂などの民間企業に勤め、2015年10月に渋谷区副区長に就任。“23区初の民間出身副区長”としてマーケティング畑で培ったスキルを発揮し、ビジネス媒体などで取材される機会も多い存在だ。2019年からは2期目を務めており、区政に長く携わってきた(任期は2023年9月30日まで)。
一方のくわずる区議は、国民民主党の公認を受けて立候補し、4月に行われた統一地方選で初当選したばかりの新人区議だ。
くわずる区議はNEWSポストセブンの取材に「書き込みがされたビジネスチャットは、職員向けのもので、区議が直接閲覧することはできません。自分の預かり知らぬところで住んでいる所が公開され、大勢の目に長い期間その情報が触れていたことに強い恐怖を覚えています。また、区議としての連絡先で公開している住所はありますが、プライベートな住まいは非公開にしていたはずです。そんな個人情報を副区長はどのように知り得たのか不明です」と指摘していた。
区は今回の記者会見で今後の対応について、「再発防止策として、あらためて、管理職及び全職員に対して、公務員として責任ある言動と情報モラルの徹底を指示」したという。
くわずる区議に今回行われた会見について聞くと「謝罪し、辞職したからといって本問題が終わりにはならない。問題の根本を解決するためには、第三者が調査にあたり、状況の確認と再発防止が大切だ。区長の任命責任も重く問われる中、副区長が辞職したから責任を果たしたということにはならず、今後の対応を会派でも注視していく」とのことだった。
(*8月8日19時20分、くわずる区議からのコメントを追記しました)