助っ人外国人が「冬の時代」を迎えている。セ・リーグの打率20傑でランクインしているのは、ドミンゴ・サンタナ(ヤクルト)のみ。パ・リーグも打率20傑でランクインしている外国人選手はデビッド・マキノン(西武)しかいない。
「日本人投手のレベルが上がり、メジャーで実績がある外国人野手でも1年目からNPBで活躍するのが難しくなっている。ポイントゲッターになる助っ人が1人入れば得点力が大きく上がるのでどの球団も外国人補強に力を入れていますが、“当たり”を引き当てるのは難しい」(スポーツ紙デスク)
その中で、他球団の編成担当が「一軍で使わないならトレードで欲しい」とラブコールを送る選手がアダム・ウォーカー(巨人)だ。
メジャー経験がなく、昨年の巨人入団時は注目度が高いとは言えなかった。推定年俸3400万円で獲得した助っ人だったが、期待以上の活躍を見せる。来日1年目の昨年は打率.271、23本塁打、52打点をマーク。昨オフに推定年俸1億円の2年契約を勝ち取った。主軸で活躍が期待された今季は52試合出場で打率.275、6本塁打、20打点。得点圏打率.391と勝負強い打撃を見せているが、外野のレギュラーを確保できず代打での出場が中心になっていた。7月28日に二軍降格したが、ファームでは連日快音を響かせている。
ネックになっているのが守備力だ。肩が弱く送球も不安定なため、相手球団は走塁で果敢に次の塁を狙ってくる。SNSでもウォーカーの守備難はたびたび話題を呼んでいる。
外野陣は今季ブレークした秋広優人、ルイス・ブリンソン、梶谷隆幸、長野久義と安定した守備力の選手がそろう。左膝の蜂窩織炎で二軍調整していた丸佳浩も戦線復帰した。守備力が課題のウォーカーが外野のスタメンを奪取するのは容易ではない。
他球団の首脳陣はウォーカーをこう評する。
「打撃に関しては常時出場すれば打率3割、30本塁打を打てる。変化球を打つ技術が高く、日本野球に適応できている。12球団を見回しても、これだけ打てる助っ人はなかなかいませんよ。ただ、外野の守備能力が低いのも事実です。練習に一生懸命取り組んで来日したころよりは上達しているが、ウォーカーが左翼の守備位置につくと弱肩を狙われる。パ・リーグ向きの選手ですよね。指名打者で出場できる環境なら、打撃に集中できるしチームにとって大きなプラスアルファになる」