ライフ

【58歳から元気になる方法】デイサービスや介護施設に「行きたくない」とごねる親を説得すべき理由

(イメージマート)

「介護サービスを受けたくない」と訴える親にかけるべき言葉とは?(イメージマート)

『80歳の壁』など数々のベストセラーを生み出した和田秀樹医師が、「58歳から元気になる方法」をテーマに、50代から60代の現役世代の悩みに答える。今回は、加齢により自宅での日常生活に困難が生じ始めた80代の老親が、それでも「デイサービスに行きたくない」とごねた場合の対処法について語ってもらった。

 * * *

「うちの親は施設が嫌い」は子供の思い込み?

 私の知る限り、高齢になって日常生活の介護や介助が必要になった時に、デイサービスや施設に「行きたがらない」という人はおそらく5割近い確率で出現します。ところが、いざ利用してみると、「スタッフが愛想良くしてくれる」「そこで新しい友達ができる」などの理由から、いつの間にか楽しんで出掛けるようになる人が多いのも事実です。

 公的介護保険が2000年にスタートして、もう20年以上が経ちます。この間、介護スタッフの高齢者ケアの技術・ノウハウは、それ以前に比べて飛躍的に進化したと言っていいでしょう。

 例えば、かつての高齢者介護の現場では、認知症の初期症状が見られる程度の元気な利用者に対しても、デイサービスや施設のレクリエーションで子供の頃に覚えた童謡を歌わせたりしていました。

 認知症の中核症状である「記憶障害」では短期記憶(直近や最近に覚えたこと)から失われるため、幼い頃の記憶(長期記憶)がまだ残る時点であれば、童謡を歌うことが利用者を楽しませ、心身にとってよいと考えられていたからです。

 しかし、認知症になったからといって誰もが“子供がえり”するわけではなく、童謡を歌ってみんなが楽しいということはありません。そのため、認知症の初期や頭がしっかりした高齢者であるほど、そうした施設に集まること自体に忌避感を覚える人が多くいたのも事実です。

 介護の各現場でそうした経験(施設を利用する高齢者にも多様なニーズがあるとの理解)が蓄積された結果、現在は「みんな一緒に童謡を」ではなく、その人がカラオケで好きな曲を歌ったりすることができるようになってきました。そのうち、彼らが青春時代に夢中になったビートルズの楽曲などをみんなで演奏したり歌ったりする光景が当たり前になるでしょう。

 そのように、訪れた高齢者に機嫌よく楽しんでもらうために、あらゆる工夫が実践されているのが現在のデイサービスや施設です。

関連キーワード

関連記事

トピックス

運転席に座る広末涼子容疑者
《広末涼子が釈放》「グシャグシャジープの持ち主」だった“自称マネージャー”の意向は? 「処罰は望んでいなんじゃないか」との指摘も 「骨折して重傷」の現在
NEWSポストセブン
真美子さんと大谷(AP/アフロ、日刊スポーツ/アフロ)
《大谷翔平が見せる妻への気遣い》妊娠中の真美子さんが「ロングスカート」「ゆったりパンツ」を封印して取り入れた“新ファッション”
NEWSポストセブン
19年ぶりに春のセンバツを優勝した横浜高校
【スーパー中学生たちの「スカウト合戦」最前線】今春センバツを制した横浜と出場を逃した大阪桐蔭の差はどこにあったのか
週刊ポスト
「複数の刺し傷があった」被害者の手柄さんの中学時代の卒業アルバムと、手柄さんが見つかった自宅マンション
「ダンスをやっていて活発な人気者」「男の子にも好かれていたんじゃないかな」手柄玲奈さん(15)刺殺で同級生が涙の証言【さいたま市・女子高生刺殺】
NEWSポストセブン
NHK朝の連続テレビ小説「あんぱん」で初の朝ドラ出演を果たしたソニン(時事通信フォト)
《朝ドラ初出演のソニン(42)》「毎日涙と鼻血が…」裸エプロンCDジャケットと陵辱される女子高生役を経て再ブレイクを果たした“並々ならぬプロ意識”と“ハチキン根性”
NEWSポストセブン
山口組も大谷のプレーに関心を寄せているようだ(司組長の写真は時事通信)
〈山口組が大谷翔平を「日本人の誇り」と称賛〉機関紙で見せた司忍組長の「銀色着物姿」 83歳のお祝いに届いた大量の胡蝶蘭
NEWSポストセブン
20年ぶりの万博で”桜”のリンクコーデを披露された天皇皇后両陛下(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA) 
皇后雅子さまが大阪・関西万博の開幕日にご登場 20年ぶりの万博で見せられた晴れやかな笑顔と”桜”のリンクコーデ
NEWSポストセブン
朝ドラ『あんぱん』に出演中の竹野内豊
【朝ドラ『あんぱん』でも好演】時代に合わせてアップデートする竹野内豊、癒しと信頼を感じさせ、好感度も信頼度もバツグン
女性セブン
中居正広氏の兄が複雑な胸の内を明かした
《実兄が夜空の下で独白》騒動後に中居正広氏が送った“2言だけのメール文面”と、性暴力が認定された弟への“揺るぎない信頼”「趣味が合うんだよね、ヤンキーに憧れた世代だから」
NEWSポストセブン
高校時代の広末涼子。歌手デビューした年に紅白出場(1997年撮影)
《事故直前にヒロスエでーす》広末涼子さんに見られた“奇行”にフィフィが感じる「当時の“芸能界”という異常な環境」「世間から要請されたプレッシャー」
NEWSポストセブン
天皇皇后両陛下は秋篠宮ご夫妻とともに会場内を視察された(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA) 
《藤原紀香が出迎え》皇后雅子さま、大阪・関西万博をご視察 “アクティブ”イメージのブルーグレーのパンツススーツ姿 
NEWSポストセブン
2024年末に第一子妊娠を発表した真美子さんと大谷
《大谷翔平の遠征中に…》目撃された真美子さん「ゆったり服」「愛犬とポルシェでお出かけ」近況 有力視される産院の「超豪華サービス」
NEWSポストセブン