中国山東省莱州市にある西嶺金鉱で、新たに金592トン以上の埋蔵量が確認された。潜在的な経済価値は最低でも2000億元(約4兆円)にも上るとされる。中国国営中央テレビ局が報じた。
山東黄金集団は8月中旬、山東省済南市の同社本社で、西嶺金鉱の探鉱結果に関する記者会見を開き、中国では最大の金鉱脈を発見したと発表した。
西嶺金鉱の金の埋蔵量は中国最大で、世界では3位。鉱脈の長さは最大で2085mになるという。同金鉱の鉱石1トン当たり4.26gの金を含んでいることが分かっており、1日あたり1万トンの鉱石を採掘したとしても、30年以上の生産が可能。同集団は西嶺金鉱発見の初期段階から本格的な採掘開始まで23年を要した。
山東省では金、銀、鉄、石炭、銅、レアアース、黒鉛、蛍石などの鉱物資源が豊富なことで知られるが、今回の西嶺金鉱での発見で、中国最大の単一金鉱の埋蔵量の記録を更新したことになる。
中国ではこの山東省に加え、内モンゴル自治区、湖南省、福建省の3省・1自治区で産出される金が、国内の金産出量全体の約50%を占めている。中国が本格的に金の採掘を開始したのは1978年12月の改革開放路線スタート後で、2007年には金の産出国として世界トップとなった。
世界全体では毎年3000トンほどの金が採掘されており、専門家の間では「これまでの採掘量は計18万トンで、地中に残されているのは6~7万トン」ともいわれている。そうした状況を考えれば、今後は金の価値が上昇することはあっても、いまの水準を大きく下回ることはないとみられている。