「骨格模型に美人も不美人もないように、顔の構造は、皮膚をめくれば皆同じ」と話すのは、デンタル美顔プロデューサーの是枝伸子さんだ。
「でも、明らかに美人・不美人はある。その違いは何だろうと考えたとき、筋肉と皮膚に支えられた目、鼻、口の形やバランスだと気づいたんです」(是枝さん・以下同)
だったら、筋肉を鍛えれば顔は変えられるのではないかと思ったのだという。
「顔の筋肉を鍛えれば、頰がリフトアップしますし、あごのたるみが取れます。顔の筋トレをすれば、整形をしなくても顔は変えられるんです。しかも、筋肉は何才になっても鍛えられますから、大人になったからといって遅いということはありません」
是枝さんは、顔の筋肉をほぐすことがおすすめだという。
「口角の横、えくぼのできる位置にあるモダイオラス(口角結節)をほぐすと、そこに結びついている筋肉のすべてが一気にほぐれ、顔の筋肉が動かしやすくなって、効果が出やすくなります」
そこで、是枝さんに美人になるために効果的な筋トレやエクササイズを教えてもらった。エクササイズは動かせる限界まで筋肉を動かすように意識することが大切だ。
「筋肉は温まるとほぐれやすくなるので、マッサージをする場合は、入浴中がおすすめです」
1日3分でいいので1か月間毎日続けると、目に見える効果が期待できるという。
「ほぐす&鍛える」の是枝流美顔エクササイズ
・頬の筋肉をほぐす
まずは「モダイオラス」のマッサージから。触ってみてコリコリしていたら、筋肉が硬くなっている証拠。もみほぐすと老廃物が流れ、むくみも改善される。気持ちいいくらいの力加減でほぐすのがコツ。
・側頭筋をほぐす
側頭筋は噛むときに使う筋肉。噛み合わせの悪さや食いしばり癖などにより、この部分が凝る。すると顔全体の筋肉も硬くなる。側頭筋をほぐすことで頭もすっきりする。
・フェイスラインをすっきりさせる
顔の下半分が長めでも、フェイスラインを含むあごのたるみを引き上げるように筋トレをすると、引き締まって短く見えるようになる。フェイスラインがすっきりすれば、小顔にも見える。
・頬を持ち上げる
頰が下がると一気に老け顔になるのでこの部分の筋トレは重要。鏡を見て、筋肉が動くのを確認しながら行うこと。口の力を抜いたまま、頰の筋肉だけで指を持ち上げるのがコツ。
・ぷっくり唇を作る
唇の筋肉を使わないでいると、唇の山が消えて唇自体が薄くなり、鼻の下が伸びてしまう。唇の筋肉を鍛えておけば鼻の下の長さを短くできる。最初は初級だけでいいので続けよう。
顔の下半分を長くする悪習慣
日常生活の癖が、顔の下半分を長くし、おブス顔にしてしまうことがあると是枝さんは言う。特に次の5項目は要注意。うっかりやっていたら今日から改善しよう。
[不機嫌そうな顔をしている]
不機嫌そうな顔ばかりしていると口角が下がり、顔の下半分が長くなってしまう。笑顔は頰の筋肉を上げる。いつでもスマイルを!
[表情が乏しい]
表情が乏しいということは、顔の筋肉が使われていないということ。クルクルと表情が変わるのは魅力的でもあるので、意識して表情を変えよう。
[スマホを見る時間が長い]
下を向いてスマホを見ていると、顔の筋肉が下に垂れ、眉間にしわが寄る。これを続けていれば、顔の下半分が長くなる。
[歯を食いしばってしまう]
歯を食いしばると、噛み合わせ部分の頰の筋肉が硬くなり、エラが張って見えるように。顔も大きく見えるので、意識して力を抜いて。
[歯の使い方が偏る]
左右の歯を同じくらいの頻度で使わないと、顔のバランスが左右で崩れてゆがんでしまう。
1個でも当てはまったら、やらないように意識しよう。日々の積み重ねが美人を作る!
【プロフィール】
是枝伸子さん/歯科医師。デンタル美顔プロデューサー、メイクアップアーティスト。名古屋の歯科クリニックで副院長として勤務する傍ら、東京にあるサロンでも独自のメソッド「デンタル美顔」の施術を行う。主な著書に『美人に見られたければ顔の「下半分」を鍛えなさい!』(講談社)など。
取材・文/土田由佳 イラスト/ico.
※女性セブン2023年8月31日号