「ヨガの母」「宇宙の母」という意味を持つ「ヨグマタ」。ヨガのマスターとして与えられた尊称を持つ相川圭子さんが読者のお悩みに答える、週刊ポストでの人生相談連載。第3回目の相談はこちら──。
Q:50年前、近くの短大の美術科に通う女性に恋をしました。その時は声を掛けることもできなかったのですが、後日、彼女と郷里が一緒だという人と知り合い、その伝手で彼女の実家の電話番号を知りました。思いだけでも伝えたいと掛けた電話には、父親だという男性が出て、「二度とこんな電話はしないでくれ」と言われ、それきりです。一度でいいので会って、電話を掛けてしまった非礼を詫びたいと思うのですが、やはり迷惑でしょうか。(69歳・無職)
心に染みついた執着を浄めるのが人生の目的 美しい想い出として過去の恋心にも終止符を
A:青春時代の淡い恋を、今も大切に胸に刻んでいるのですね。人を純粋に想うことは素敵なことです。
ただ、それから50年の月日が経ちました。恋心は色あせていなくても、お互いに年齢を重ねて取り巻く環境も変わっています。あなたの若い頃の行動も相手の中ではきっと、ほとぼりがさめていると思います。
直接会ってけりをつけるのではなく、青春時代に夢を与えてくれたことに感謝して、その方の幸せを離れた場所から祈りましょう。あなたの恋心をもっと大きな宇宙的な愛へと、昇華させるのです。その祈りは良いメッセージとして相手の魂へ届くことでしょう。
そして無償の愛で周囲に親切をして、豊かな人へ成長をするのです。愛をシェアして、この地球が平和になる生き方をします。
69歳となれば人間の完成へと向かう、人生の円熟期です。瞑想を通じて心にいつのまにか染みついた執着や抱え込んだ苦しみを手放し、ストレスをすっきりと解毒します。そして、清らかで軽やかな人へと再生して、身の回りの人に尽くす時期なのです。周囲の幸せのために生きることであなたの人生も広がります。
過去に囚われずに心身共に自由になれたら、美しい想い出として恋心にも終止符が打てるでしょう。そうして辿りついた穏やかな境地が、「悟り」なのです。
執着によって、人間はどんどん自分を縛り付けていきます。人やものへのこだわり、欲望に任せた自分本位な振る舞い、それらが積み重なって争いを生み、傷つけ合います。人生の目的とは、その不要な執着=カルマを浄めること。取り払うことで、本来の自分の姿へ戻っていくのです。
あなたの心は引き寄せる性質のある、磁石のようなもの。そのまっすぐな心で周囲と調和して魂が輝く生き方をすると、良い流れを引き寄せて運命も好転していきます。心をさっぱり整理整頓して、豊かな老後を生きていきましょう。
【プロフィール】
相川圭子(あいかわ・けいこ)/女性で史上初めて「究極のサマディ(悟り)」に達した、現在世界で会えるたった2人のヒマラヤ大聖者の1人。5000年の伝統をもつヒマラヤ秘教の正統な継承者で、2007年にはインドスピリチュアル協会から最高の聖者の称号「マハ・マンダレシュワル」を授かる。2016、17年には国連本部で主賓として平和のスピーチも行なった。TBSラジオ『相川圭子 幸せへのメッセージ』にレギュラー出演中。著書は累計100万部を超える。
協力:サイエンス・オブ・エンライトメント https://www.science.ne.jp/
※週刊ポスト2023年9月1日号