セ・リーグを代表する4番バッターの巨人・岡本和真(27)とヤクルト・村上宗隆(23)。好対照な今シーズンの2人の成績の裏には、WBCで侍たちを引っ張った“あの男”の存在があった──。【前後編の前編】
巨人の主砲・岡本の躍動が止まらない。8月13日のDeNA戦で自身初の月間10本目となる32号ホームランを放ち、打率と打点も好成績。三冠王が視野に入ってきた。巨人番記者が語る。
「昨年8月、3年ぶりに4番を外された時の状態とは雲泥の差です。6年連続の30本以上は巨人の右打者では初。その働きぶりを原辰徳監督も絶賛している」
8月の大活躍について記者に聞かれた際に、「正直打てる気しかしなかった」と語るなどシャイな性格まで一変し、“絶口調”の岡本。番記者たちは「転機は3月のWBCだった」と口を揃える。別の巨人番記者が語る。
「間近で見たエンゼルス・大谷翔平(29)のバッティングが相当刺激になったようです。岡本はトレーニング法や打撃について熱心に尋ねていましたが、WBC後にそれを取り入れることで力を伸ばしました。
昨シーズンまではポーカーフェイスだったのが、今年は三振後にバットを地面に叩きつけるなど感情的な仕草を見せるようになった。それも、喜怒哀楽を隠さない大谷の影響だと言われています」
WBCで優勝した後、岡本は『news zero』(日本テレビ系)のインタビューで大谷の打撃についてこう言及していた。
〈これがメジャーでホームラン王を争える打撃のレベルなのかと身近に感じることができた。もっともっと頑張りたいと素直に思いました。軸足の使い方、体の使い方など打撃のアドバイスもいただきましたし、トレーニングも教えていただいた〉