結成16年以上の漫才師による漫才賞レース「THE SECOND~漫才トーナメント~」は、M-1グランプリの出場資格である結成15年を過ぎた“売れていないベテラン芸人”の新たな活躍の場となった。その中でも決勝に進んだ8組の中で「売れている」と言えるのが三四郎だ。ベスト4進出芸人の連続インタビューで、三四郎にエントリーを決断した思いを聞いた。【前後編の前編】(聞き手/中村計=ノンフィクションライター、『笑い神 M-1、その純情と狂気』著者)
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──THE SECONDの出場資格は、「プロのみ、かつ結成16年以上」。そして、身を削らなければならない賞レースにあえて参戦した多くの組には、もう一つの共通点がありました。それは「売れていない」ことです。そこへ行くと、三四郎は、よくぞエントリーしたなという気もしたのですが。
小宮浩信:確かに、リスクしかないなとも思いました。もし、予選で落ちちゃったら、漫才師としての看板に傷がつくだけだな、と。ただ、向いてるかな、とも思ったんですよ。M-1の場合は最後の方、三四郎はもう売れてるからいいじゃん、みたいな雰囲気はあったんです。でも、そのM-1では最後まで決勝に行けませんでしたし、THE SECONDはM-1とはまたちょっと性格が違う感じがしたんですよね。あと、仲のいいウエストランドがM-1で優勝した後だったので、今度は俺たちだという熱量もあった。お客さんにも受け入れられやすいのかなというのもありました。
相田周二:僕はM-1のときは絶対出たいという感じだったんですけど、今回は半々でしたね。ただ、大会に出ること自体は楽しいじゃないですか。ドキドキするし。あと、出るなら第1回大会がおいしいだろうなと思っていました。様子見の組も出てくるので、まだ、そこまで競争も激しくないだろうな、と。
──最終的にエントリー数は133組でした。最初、選考会と称する予選が5日間にわたって開催されて、そこから内部審査によって一気に32組に絞られました。あそこの発表もドキドキしたのではないですか。
相田:相当、ドキドキしましたね。
小宮:怖かったな。THE SECONDのサイトで発表されることになっていたんですけど、ああいうのって、いちばん早いのはツイッターなんですよ。M-1の時もそうでしたけど、ツイッターで「三四郎」って検索すると、誰かが「三四郎通った」とか「三四郎落ちた」とかつぶやいてくれてるので、一瞬でわかる。サイトだとつながりにくかったり、通過者が載ってる画面を探さなければいけなかったりと、ちょっとめんどくさいんで。なので、あの時も発表時間のちょっと前から「三四郎」で検索ボタンを連打していましたね。