芸能

【元日テレアナ座談会】過酷な『24時間テレビ』の舞台裏 本番後の打ち上げの司会をやり、そのまま翌朝『ズームイン!!』

とにかく時間との闘いだったと『24時間テレビ』を振り返る松本志のぶアナ

とにかく時間との闘いだったと『24時間テレビ』を振り返る松本志のぶアナ

 1980~1990年代のテレビ黄金期を支えた日本テレビのレジェンドアナ3人(永井美奈子、松本志のぶ、馬場典子)が再会。それぞれが経験した『24時間テレビ』での仕事内容について語り合った。(司会・構成/放送作家・山田美保子)【全4回の第3回。第1回から読む

 * * *
──徳光和夫さんと一緒のお仕事といえば、みなさん、『24時間テレビ 愛は地球を救う』も担当されていましたよね?

馬場:私は総合司会はやっていなくてマラソン担当が多かったんですが、ゴール実況は徳光さんにバトンタッチしました。担当としては何か月も前からランナーの方と一緒に走っていました。皆さんの気持ちがわかるまで走れたどうかはわからないですけれど、自分が汗をかかないでマイクは向けられないし、向けてはいけないと思うので。富士山登山とか遠泳を担当するアナウンサーもみんな同じように汗をかいていたと思います。

松本:だから私が総合司会をしていたときの一つのテーマとして、現場に出ているアナウンサーの名前を必ず言うようにしていました。あとは、とにかくこの番組も時間との闘いでしたね。始まってすぐフロアディレクターが鬼の形相で「巻いてください」と(苦笑)。深夜から朝6時までは出番がないので一応ホテルをとってもらってはいるんですが、顔を洗ってシャワーを浴びて、横になろうとしても結局番組が気になって部屋のテレビを見てしまって。そのまま武道館に行ってメイクするという。

永井:終了後、武道館内のレストランで打ち上げがあるんですが、そこでの司会も私たちです。

馬場:1時間眠れたかどうかで翌朝『ズームイン!!』の中継に行っていました。当然ですが、翌日にはいつもの日常が待っているんですよね。

永井:いまは労働基準法が厳しいので、ちゃんと休ませてもらえるみたいですが、私たちのときはなかった。徳光さんもシフト的にはお休みの時間を確保してあるのですが、休まない! 必ずどこかのスタジオにいらして。バスの中で居眠りしている番組(テレビ朝日系『路線バスで寄り道の旅』)とは大違い(笑)。

松本:ただ『24時間テレビ』は非常に大きな番組で、ものすごい数のスタッフの皆さんがすべてを整えてくださっている。武道館担当になるとそれがよくわかるので背筋が伸びますね。いまは『24時間テレビ』の翌朝、『ZIP!』を3時間も担当するミトちゃん(水卜麻美アナ)を尊敬する立場です。

永井:アナウンサーって、あらゆる方向から撮られているので疲れていたり気を抜いていたりすると、それが表に出てしまうんです。でも彼女はそれがない。

第4回に続く第1回から読む

【プロフィール】
永井美奈子(ながい・みなこ)/1965年生まれ、東京都出身。1988年に日本テレビ入社。『マジカル頭脳パワー!!』2代目司会、『24時間テレビ』総合司会など多数の番組に出演。現在はフリーアナウンサーとして活動するほか、クラシック音楽のフェスティバル「音夏(おんなつ)」のプロデュース。成城大学非常勤講師、日テレ学院講師を務める。

松本志のぶ(まつもと・しのぶ)/1969年生まれ、静岡県出身。1992年に日本テレビ入社。『24時間テレビ』総合司会、『行列のできる法律相談所』、『ズームイン!!朝!』、五輪現地キャスターなどを担当。現在はフリーアナウンサーとして活躍するほか、クラッシックコンサートの司会、絵本の朗読劇にも出演。報知映画賞の選考委員、洗足学園音楽大学客員教授を務める。

馬場典子(ばば・のりこ)/1974年生まれ、東京都出身。1997年に日本テレビに入社。『ZIP!』『ザ!世界が仰天ニュース』、『キユーピー3分クッキング』など情報からバラエティまで数多くの番組を担当。現在はフリーアナウンサーとして活躍し、『あさイチ』(NHK)、『歌謡プレミアム』(BS日テレ)などに出演中。大阪芸術大学放送学科教授を務める。

※週刊ポスト2023年9月1日号

関連記事

トピックス

幕内優勝力士に贈られる福島県知事賞で米1トンが
「令和のコメ不足」の最中でも“優勝したら米1トン”! 大相撲優勝力士に贈られる副賞のコメが消費される驚異のスピード
NEWSポストセブン
愛子さま
愛子さま、日赤への“出社”にこだわる背景に“悠仁さまへの配慮” 「将来の天皇」をめぐって不必要に比較されることを避けたい意向か
女性セブン
「学園祭の女王」の異名を取った田中美奈子(写真/ロケットパンチ)
田中美奈子が語る“学園祭の女王”時代 東大生の印象について「コミュニケーションスキルが高く、キラキラ輝いていた」
週刊ポスト
羽生結弦(時事通信フォト)の元妻・末延麻裕子さん(Facebookより)
【“なかった”ことに】羽生結弦の元妻「消された出会いのきっかけ」に込めた覚悟
NEWSポストセブン
目覚ましテレビの人気コーナー「きょうのわんこ」(HPより)
『めざましテレビ』名物コーナー「きょうのわんこ」出演犬が“撮影後に謎の急死”のSNS投稿が拡散 疑問の声や誹謗中傷が飛び交う事態に
女性セブン
シャトレーゼのケーキを提供している疑惑のカフェ(シャトレーゼHPより)
【無許可でケーキを提供か】疑惑の京都人気観光地のカフェ、中国人系オーナーが運営か シャトレーゼ側は「弊社のブランドを著しく傷つける」とコメント 内偵調査経て「弊社の製品で間違いない」
NEWSポストセブン
神田正輝の卒業までに中丸の復帰は間に合うのか(右・Instagramより)
《神田正輝『旅サラダ』残り2週間》謹慎中のKAT-TUN中丸雄一、番組復帰の予定なしで「卒業回出演ピンチ」レギュラー降板の危機も
NEWSポストセブン
小泉進次郎氏・滝川クリステル夫妻の出産祝いが永田町で話題
小泉進次郎夫妻のベテラン議員への“出産祝い”が永田町で話題 中身は「長男が着ていたとみられるベビー服や使用感のあるよだれかけ」、フランス流のエコな発想か
女性セブン
稽古は2部制。午前中は器具を使って敏捷性などを鍛える瞬発系トレーニングを行なう。将来的には専任コーチをつけたいという
元関脇・嘉風の中村親方、角界の慣習にとらわれない部屋運営と指導法 笑い声が飛び交う稽古は週休2日制「親方の威厳で縛らず、信頼で縛りたい」
週刊ポスト
柏木由紀と交際中のすがちゃん最高No. 1
《柏木由紀の熱愛相手》「小学生から父親のナンパアシスト」すがちゃん最高No.1“チャラ男の壮絶すぎる半生”
NEWSポストセブン
今年8月で分裂抗争10年目を迎える。写真は六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
「宅配業者を装って射殺」六代目山口組弘道会が池田組に銃口を向けた背景 「ラーメン組長」射殺事件の復讐か
NEWSポストセブン
小泉進次郎元環境相と妻の滝川クリステルさん(時事通信フォト)
滝川クリステルの旧習にとらわれない姿勢 選挙区の横須賀では「一度も顔を見せないのはどうか」の声、小泉進次郎氏は「それぞれの人間性を大事にしていきたい」
女性セブン