夏の甲子園(第105回全国高校野球選手権記念大会)は、慶応高校が107年ぶりの優勝で幕を閉じた。仙台育英との決勝では、慶応の生徒たちやOBらが客席を埋め尽くし、圧倒的声援でチームを後押し。「三田会パワーおそるべし」「声援こそ力」と人々を唸らせた一方で、「さすがにやりすぎでは」「仙台育英がやりづらそうだった」といった否定的な声も上がり、賛否両論を巻き起こした。
現役の生徒たち以上にそのパワーを発揮したのが、同校出身のOBたちである。慶応高校は一流企業の経営者や幹部らを多く輩出しており、内部生以外にも全国から学生が集まる慶応大学以上にOBたちの結束は強い。同校OBは言う。
「大学から入学してきた人たちにも友達はいますが、やっぱり『外部』という意識はある。系列校のなかでも、自分たちは『塾高(慶応高校のこと)こそ本流』という気持ちが正直ある。だからこそ、今回の優勝は我が事のように嬉しかったですし、ネット上で批判の声が上がっていることに『アンチがこんなにいるのか』とびっくりしました」
慶応高校の同窓会には立派な公式ホームページまで存在するが、そこには目立つ文字で「甲子園出場支援募金のお願い」と書かれている。「ネットからのお申し込み(クレジットカードからのご寄付)が可能となりました。趣意書をご確認のうえ、下記のリンク先からお申し込みください」として、目標金額は「6000万円」と掲げられている。春のセンバツ大会では3739万円が集められたというから、決して無謀な金額ではない。これぞ「三田会パワー」であろう。