デビューから55年を迎え、10月にはラストと銘打ったホールツアーを控えている和田アキ子(73才)が、一大決心を明かした。8月12日にパーソナリティーを務めるラジオ番組『ゴッドアフタヌーン アッコのいいかげんに1000回』(ニッポン放送)で、近日中に左脚の股関節の手術を受けることを明かしたのだ。現在和田は、「変形性股関節症」の痛みと1年もの間、闘っている。
「本当なら、ホールツアーが終わってから手術をするつもりだったようなのですが、日常生活に支障が出ていることもあり、医師にすすめられて手術の前倒しを決意したそうです」(テレビ局関係者)
和田を悩ませている変形性股関節症について、湘南鎌倉人工関節センターの三原政彦整形外科部長が解説する。
「患者の8~9割は女性です。大腿骨と骨盤の間の軟骨がすり減り、炎症や激しい痛みを発症させる病気です。遺伝的なものに加え、乳幼児期に脚の動きが制限されることが遠因になっているケースが多くありました。
このケースは発育性股関節形成不全症と呼ばれ、1970年代以前には100人に1~2人が発症していました。現在は、おくるみなどで脚を閉じた状態で寝かせないなどの啓蒙活動が進んだおかげで、発症率は10分の1ほどに減少しています。ただし、食事の欧米化や運動不足による変形性股関節症も増えていると考えられます。実際欧米では、変形性股関節症の原因の多くが食事や運動不足による肥満です」
現在日本では、約500万人もの罹患者がいるともいわれている。こうした生活習慣に伴う変形性股関節症は、悪化する前にある程度防げるという。
「変形や進行の度合いによりますが、臀部や下肢の筋力を鍛えることで防ぐことができます。40~50代で一時的に股関節痛が出現した場合でも、しっかりと筋トレや体重管理を行うことで20年以上、進行を抑えている患者さんもいます。減量に加えて股関節回りの筋肉を鍛えることで、股関節への負担を減らし、進行を遅らせることができます」(三原氏)
仮に痛みが長引いてしまっても、和田のように手術を受ける前にできることはある。
「薬物療法による保存療法では、薬で痛みを抑えることで日常生活、そして運動療法をしやすくします。こうした対策で日常生活に支障が出なくなれば、手術をする必要はないでしょう」(三原氏)
手術に踏み切るのは、それでも手遅れになってしまった場合だ。和田は座ったり立ったりするだけでも痛みが伴い、お風呂やトイレにも困るほど支障が出ているという。三原氏は手術の決断ポイントとして3つを挙げる。
「手術を決断するタイミングとしては、まず日常生活や仕事に明らかに支障が出始め、悪化しているかどうか。それから、夜中に寝ている間も痛みが気になることがあるか。そして、もともと痛みを感じていた側だけでなく、反対側の股関節や膝、腰にまで痛みの症状が出始めているか。この3つです」