年齢やライフスタイルの変遷に伴い、女性同士の友人関係も変化するもの。支えになってくれる存在として女友達はいた方がいいとわかっていても、「でもやっぱり面倒……」と思う女性も少なくないだろう。顔の広い『女性セブン』の名物ライター“オバ記者”こと野原広子さんに、友達の切り方、作り方、距離の置き方について聞いた。
同性の気兼ねなさで愚痴を言い合い、家族とは違う面で支え合える──。女友達は確かに人生を豊かにしてくれるだろう。一方で、「面倒」と感じる読者もいる。本誌『女性セブン』読者へのアンケート調査(「女性セブン倶楽部」会員・20〜80代女性に実施。期間は2023年7月25日〜8月1日、回答者数2161人)によると、友達と縁を切った経験がある人が約43%いた。
人間は多面体。合致するのは一部だけ
「まあ私も、この年になると“友達って、いる?”って思うこともあるわよ」
とは、本誌で『いつも心にさざ波を!』を連載中のオバ記者こと、野原広子さんだ。
「私、人間っていろいろな面を持つ“多面体”だと思っているのよね。友達って、たまたまその中の一面が合致した関係。それぞれにほかの面がたくさんあるわけだから、ささいなきっかけで離れたり、くっついたりを繰り返すわけ」
親友とは、何でも話せて長くつきあうべきもの—そういった固定観念を持っていると、合致していた面が少しずれただけで、「裏切られた」「面倒だ」と思ってしまう。
「女友達は、異性の友達より深くわかり合えると思っている部分があると思う。だからこそ、こうだと思い込んでいた部分が違うと一転、敵とみなして、攻撃してくるところはあるよね。特に、悪口を言い合うことこそ、仲が深まった証拠、みたいに考える人がいて、それを拒否するときつく当たってくる。私はそういう友達とはつきあえない」
他人と合致する面は絶えず変動している。だから、永遠の友情などはあり得えないし、長く関係を続けようと思わない方がいい。面が合致しなければ離れていい、というのがオバ記者の持論だ。
そうはいっても、オバ記者には20年、30年と長いつきあいの友達がいる。地元には小学校時代からの幼なじみも。
「でも幼なじみは友達かというとちょっと違う。私を『ヒロコちゃん』と子供の頃のように呼んでくれる人たちは、気が合う合わないとはまた別のくくり。もっと根っこで結びついている気がするの。
そんな関係に油断しすぎたのか、あるいは、古い友達はいいに決まっていると思い込んだことが徒になったのか。あるときから“昔からの仲だから”と、気がめいるようなことを言われることが増えたの。“バカじゃないの”とかね。それをスルーした私も私。話してもわからないからと、距離を置いちゃった」
つまり友達関係は、結果的に長いつきあいになることはあっても、長くつきあうのが目的じゃない。そういう面倒に感じないつきあい方が理想的なのだという。