綾瀬はるか(38)が主演を務める映画『リボルバー・リリー』(8月11日公開)に勢いがない。
同作は元スパイの綾瀬が陸軍とアクションを繰り広げる物語。公開から10日間で興行収入は4.5億円と、同時期に公開された『君たちはどう生きるか』の約36億円や『キングダム~運命の炎~』の約23億円に大きく水をあけられている。
かつては多数のヒット作に恵まれた綾瀬だが、このところ出演作の数字がふるわない。1月に公開された映画『レジェンド&バタフライ』の興行収入は約24億円で、映画関係者は「収支を考えると成功とは言えない」と明かした。
「東映創立70周年記念作品で、全国382のスクリーンで上映されました。製作と広告宣伝費には20億円もつぎ込んでおり、東映と映画館などで分配する収益を考えると少なくとも40億円は欲しかった。また、2021年の映画『奥様は、取り扱い注意』は同作のドラマが最高総合視聴率25.6%とヒットしたので映画化しましたが、興行収入は11億円。採算は取れていないと思います」
なぜ綾瀬の出演作は“消化不良”に終わってしまうのか。映画誌記者が語る。
「綾瀬さんのこだわりと観客の綾瀬像に“ギャップ”があることが一因でしょう。綾瀬さんといえばドラマ『JIN―仁―』(TBS系、2009年)や映画『ハッピーフライト』(2008年)など、健気で元気の良い女性役がハマるように、“身近な女性”のイメージが強い。
ただ、本人はアクション志向が強いんです。映画『ICHI』(2008年)で初めて時代劇アクションに挑戦して以降、闘う女性像にこだわりを持つようになったそうで、スタントマンが不要なレベルまで殺陣の練習にのめりこみ、筋トレも習慣化した。アクション要素のある作品を選んで出演する傾向が強まりました」
このイメチェンが奏功した作品もあるが、大抵の出演映画は厳しい結果に終わっている。
「アクション女優のイメージを定着させるまでには、もうしばらく時間と出演作が必要なのかもしれません」(同前)
※週刊ポスト2023年9月8日号