東京ではこの1、2年、澄み切ったスープのラーメンのトレンドが加速している。今回の記事で取り上げた8店中、2023年4月以降にオープンした4店をあげたラーメン評論家の大崎裕史氏が最近の傾向を解説する。
「清湯系の綺麗なスープが非常に増えてきています。SNSの台頭を背景に“映える”ラーメンが人気となり、麺を美しく揃えて盛る店が増加中です。麺を綺麗に見せるために澄み切ったスープを追求する傾向も高まっていると感じます」
貝出汁に特化する店も増加中と同氏は指摘する。
「『琥珀』のように以前から貝出汁で人気の店はありましたが、コロナ禍をきっかけに“貝”を店名に出すラーメン店も相当増えました。居酒屋系の店が別業態で貝や魚を活用したパターンも目立ち、今までにないラーメンが今後も続々と誕生するのを期待しています」
Japanese Ramen 五感「塩らぁめん」1300円
澄んだ黄金色のスープの表面には、比内地鶏の脂がキラキラと輝く。スープ越しの細麺の美しい佇まいにも見惚れる。純国産素材にこだわり、貝出汁には国内の天然のハマグリやアサリ、シジミ、ホタテ貝柱を、地鶏出汁にはブランド鶏「比内地鶏」「みやざき地頭鶏」の生後9か月の雌丸鶏を惜しげもなく使う。炭火で焼くチャーシューの山形豚と大山鶏も主役級。ふくよかで滋味深いスープは最後の一滴まで飲み干したくなる。
住所:東京都豊島区東池袋2-57-2コスモ東池袋101
営業時間:11時半~15時(売り切れ次第、終了)
定休日:月・火
超純水採麺 天国屋「地鶏の白醤油らーめん」1200円
「子どもが安心して食べられるラーメン」をモットーに、無化調・無添加の素材を吟味し、水中の不純物を除去した超純水を使用。透明なスープは地鶏のガラと丸鶏のみで出汁をとり、2種類の白醤油で甘味と香りを出す。麺は、国産小麦を用いた自家製ストレート麺。やさしい味わいながら、食べ進めるほど地鶏の重厚な旨味が増し、スープを完飲してものどが渇かない。途中、自家製の柑橘系わさびで清涼感を加えるのもいい。
住所:東京都町田市鶴間3-13-13南町田グランベリーパーク前
営業時間:月・火・木・金11時~14時45分(L.O.)/土・日・祝11時~15時45分(L.O.)、夜は不定期営業17時~20時(L.O.)
定休日:水