ビジネス

生成AIで変わる就活 「ChatGPTを使ってES作成」は是か非か

対話型人工知能(AI)「チャットGPT」のパソコン画面。2023年4月(イメージ、時事通信フォト)

対話型人工知能(AI)「チャットGPT」のパソコン画面。2023年4月(イメージ、時事通信フォト)

 2023年は生成AIの年と言っていいだろう。その代表的な存在として知られるようになったChatGPTは、文章を入力するだけで文章作成やプログラミング、翻訳等様々なことができるAIチャットサービスであり、様々な分野での活用が期待されている。既に大学生もAIを利用し始めており、就活に活用する「AI就活」も行われている。AI就活のリスクと問題点、コツについて、若者のICT利用実態に詳しい成蹊大学客員教授高橋暁子さんに聞いた。

 * * *
 大学生にとって、AIはどのくらい身近なものなのだろうか。講師を務める大学の初回講義内で聞いたところ、164名のうち約3割は「知らなかった」、「知っていたが使っていない」が約半数。「知っていたし使っていた」は約1割止まりだった。

 4月時点での大学生の認知度は高くなく、「この講義で初めて聞いた」という学生が何人もいたほどだ。知っている学生も、「何となく危なそう」「犯罪への悪用が怖い」「レポートが書けると聞いた」「便利そうだから使ってみたい」くらいの認識が多かった。

 ところが、積極的にChatGPT等の生成AIに関する最新ニュースを紹介するようにしたところ、学生たちの反応は変わり始めた。情報リテラシー関連のテーマを一つ選んで講義内で発表してもらうのだが、生成AIを選ぶ学生が増えてきたのだ。

 デジタル広告最大手サイバーエージェントの事例は、特に学生の関心が高かった。同社は、広告効果の予測を行う広告制作支援AIシステムである極予測AIを開発、導入。その結果、広告クリエイティブの出来栄えを判断するディレクター職はかつての30~40人からゼロになっている。一方、優れたコピーの作成率は10%から24%へ伸びた。ディレクター職だった人材は営業職などの他の職種に転向したり、同社を退社したという。

 2024年卒業予定の大学生・大学院生を対象としたマイナビの「マイナビ 2024年卒大学生活動実態調査 (5月)」(2023年5月)でも、同様の結果が現れている。先進的なAI技術などの新しいテクノロジーの登場によって、就職観や志望業種・志望職種・志望企業などに影響を受けたことはあるかを聞いたところ、影響を受けたことが「ある」と回答した学生が15.3%いた。

 就活に、「IT化やDX(デジタルトランスフォーメーション。データとデジタル技術を活用し企業を変革、生活を改善すること)に対応した企業」「AIに奪われない仕事」という視点が新たに加わったというわけだ。

関連記事

トピックス

麻雀好きな一面もあった大山のぶ代さん
「追っかけリーチでハネ満」「関取から清一色をロン」大山のぶ代さん、週刊ポストの「有名人麻雀大会」で見せていた“勝負師の顔”
週刊ポスト
10月17日、東京・世田谷区の自宅で亡くなった西田敏行さん(時事通信フォト)
《俳優・西田敏行さん逝去》訃報を受けて一番に供花を届けた「共演女優」 近隣住民が見ていた生前の様子
NEWSポストセブン
現地時間の16日、ホテルから転落し亡くなったとみられている「ワンダイレクション」元メンバーのリアム・ペイン(31)。通報を受けて警察が駆けつけた際には、すでに蘇生の余地もない状態だったという(本人SNSより)
《目撃証言》「ワン・ダイレクション」ペインさんが急逝…「元婚約者」とトラブル抱え、目撃された”奇行”と部屋に残されていた”白い粉”
NEWSポストセブン
ワールドシリーズMVPも視野に
《世界一に突き進む大谷翔平》ワールドシリーズMVPに向けて揃う好条件「対戦相手に天敵タイプの投手がいない」、最大のライバルは“ドジャースの選手”か
週刊ポスト
「応援していただいている方が増えていることは感じています」
【支持者が拡大中!?】斎藤元彦・前兵庫県知事インタビュー「街頭で、若者からの支持を実感しています」
NEWSポストセブン
コンビ名はどうするのか(時事通信フォト)
「変えなくていいのか?」ジャングルポケット・斉藤慎二 残された2人を悩ます「コンビ名問題」
週刊ポスト
芸歴66年を迎えた石坂浩二
【石坂浩二ロングインタビュー】27才での大河ドラマ主演を振り返る「特別な苦労は感じなかった。楽しい思い出ばかりでした」
女性セブン
合法的な“落選運動”のやり方(イメージ。時事通信フォト)
【“裏金議員”の落とし方】公選法の対象外となる合法的な“落選運動”の注意点 「組織でやるのはNG」「根拠となる事実を提示」
週刊ポスト
10月17日、東京・世田谷区の自宅で亡くなった西田敏行さん
《逝去》西田敏行さん、杖と車椅子なしでは外出できなかった晩年 劇場版『ドクターX』現場が見せていた“最大限の配慮”
NEWSポストセブン
グラビアアイドルとしてデビューした瀬戸環奈さん(撮影/カノウリョウマ)
【SNSで話題の爆美女】1000年に一人の逸材・瀬戸環奈が明かす「グラビア挑戦を後押しした“友人の言葉”」
NEWSポストセブン
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談【第16回】79歳の父親から「好きな人ができた」と突然の告白 相手のことが気になる…どうすべき?
週刊ポスト
「週刊ポスト」本日発売! 「石破茂は保守かエセか」大論争ほか
「週刊ポスト」本日発売! 「石破茂は保守かエセか」大論争ほか
NEWSポストセブン